アイマのリッパー90をインプレします。プロアングラーの鈴木斉さんが監修したこのルアーは、アイマにとって初めてのウェイクベイト。90mmと小ぶりなボディながら、背中に薄く水をまとって引き波を立てる、水面の釣りに的を絞った一本です。
そんなリッパー90を、僕は河川や河口のシャローでデイゲームのシーバス狙いに投げてきました。さらに夏場はチニングにも持ち出していて、チヌまで手にすることができています。
そこでこの記事では、実際に使って感じたことをもとに、特徴から釣れる使い方、合わせているタックル、おすすめのカラーまでをまとめました。小さめのウェイクベイトを探している方や、購入を迷っている方の参考になればうれしいです。
リッパー90とは

アイマ初のウェイクベイト!鈴木斉プロ監修の引き波ルアー
リッパー90がどういうルアーかを、まずはスペックと形の特徴から押さえておきましょう。引き波を生む仕組みが分かると、使い方のイメージもつかみやすくなります。
リッパー90が登場したのは2019年5月で、90mm・12gの水に浮くフローティングタイプです。レンジは水面から20cmまでと、かなり浅めに作られています。
| 全長 | 重量 | タイプ |
|---|---|---|
| 90mm | 12g | フローティング |
| レンジ | フック | リング |
| 1〜20cm | #4 | #3 |
レンジに幅があるのは、巻く速さで潜り方が変わるからです。ゆっくり巻くと背中が水面からわずかにのぞいて引き波が立ち、速度を上げるにつれて20cm前後まで潜っていきます。つまり、スローで水面を引くことを基本に、状況に応じて少しだけ下げられるルアーというわけです。
ボディを90mmにしたのは、春から秋口に多いベイトの大きさに合わせるためだと、アイマの公式サイトに書かれています。小さめのシーバスでも口にすっぽり収まり、フッキングが決まりやすいことも、この大きさが選ばれた理由だそうです。そのサイズ感に合わせて、標準では#4のフックが付いています。
背びれとリップ
見た目でまず目に入るのが、背中の小さな背びれです。このパーツは浮力を稼ぐ役目と、水面に引き波を立てる役目を兼ねていて、ゆっくり巻いても表層から外れにくい作りになっています。
一方、口元に目を移すと、下あごが前に突き出た、ウェイク系らしいリップをしています。こうした形は空気を受けやすく、キャスト中にくるくる回って飛距離が伸びにくいのが弱点でした。
そこでリッパー90は、リップの角度、ボディの厚み、内部構造まで変えながら試作を何十種類も重ね、回らずに飛ぶ形へ仕上げたといいます。あわせて、潜りすぎないようにボディの浮力とウエイトのバランスを詰めた点も、開発時のこだわりとして紹介されています。
リッパー90のカラー
迷ったらサイトボラがおすすめ!

リッパー90は、公式サイトに14色が並んでいます。レッドヘッドやコットンキャンディーといった定番から、ボラやマコイワシのようなベイトに寄せた色までそろっていて、どれを選ぶか迷う方も多いと思います。
その中で僕がメインに使っているのは、サイトボラです。デイゲームが中心で、水が澄んでいる日も多いので、派手さよりも見切られにくいナチュラルな色を選んでいます。
もうひとつの決め手が、ベリー(お腹側)の色。水面直下に浮いて泳ぐルアーなので、シーバスやチヌは下から見上げる形でこれを目にします。そのとき白やシルバーのベリーなら、ごく自然な姿に映ると僕は考えています。

リッパー90をインプレ
使って分かった泳ぎと釣れ方

ここからは、実際に河川や河口へ持ち込んで感じたことをお伝えします。飛距離、巻き心地、レンジの順に見ていき、最後に釣果を紹介します。
飛距離
飛距離について正直にいうと、特別よく飛ぶという印象はありません。とはいえ投げていて困ったこともなく、河川や河口で使うぶんには不足を感じない、というのが僕の感覚です。
そもそもウェイクベイトは、リップが空気を受けるぶん飛ばしにくいジャンル。あの小さなボディでこれだけ投げられれば、十分合格点でしょう。
アクションがマイルドで巻きが軽い
泳ぎで真っ先に感じたのは、マイルドで巻きが軽いことです。ウェイク系には手元にブルブルと強い抵抗が伝わるものが多いのですが、リッパー90は引き重りが控えめで、軽い力のまま巻き続けられます。
この軽さは狙って作られたもので、アイマによると開発で何より重視したのは巻き心地。巻き抵抗をあえて強くしすぎない設定にした、と説明されています。
抵抗が重すぎないぶん、流れが効いている場所とゆるい場所の違いを手元でつかみやすいのも利点だといいます。
レンジ
飛距離について正直にいうと、特別よく飛ぶという印象はありません。とはいえ投げていて困ったこともなく、河川や河口で使うぶんには不足を感じない、というのが僕の感覚です。
そもそもウェイクベイトは、リップが空気を受けるぶん飛ばしにくいジャンル。あの小さなボディでこれだけ投げられれば、十分合格点でしょう。
釣果
シーバスは、河川と河口のシャローでのデイゲームで釣れています。季節でいうと春から初夏、そして夏から秋にかけてで、どの魚もスローでたらたら~とただ巻きで水面直下を通してると食ってきました。
夏場になると、チヌもリッパー90で手にできました。8~9月ごろのチヌは水面近くまで浮いてきますが、トップでは出しきれない日もあり、そうした日に背中を少しだけ出してゆっくり引くと、周りにいるチヌが寄ってきます。口が硬くて小さいチヌには、シーバス用の大きめのウェイクベイトより、リッパー90くらいのサイズが合うというのが僕の印象です。
リッパー90で釣る使い方
リッパー90でシーバスを釣る!釣り方

使い方は、ゆっくり巻いて引き波を立てるのが基本です。ここでは巻き方とレンジの合わせ方、そして出番の多い季節と場所を順に紹介します。
デッドスローのただ巻き
キャストしたら、ボディの背が水面からのぞくくらいの速さで、一定にゆっくり巻いてきます。ルアーの後ろに細いV字の波が立っていれば、それがウェイクベイトの持ち味である引き波です。
巻く速さの目安は、引き波がきれいに出るギリギリの遅さ。速くしすぎると水中に入って引き波が消えるので、そのときはハンドルを回すペースを落として、背中が水面に戻るのを待ちます。僕が魚を出しているのも、こうした遅めの速さです。
近くでボイル(魚が水面で小魚を襲う動き)が出ているときは、少し先へ投げて、群れの上を通過させるように引いてくるのが効果的だと、アイマも紹介しています。
ティップの高さでレンジを合わせる
同じ速さで巻いていても、ロッドのティップを立てるとルアーは浅く、寝かせると少し深く入ります。ラインが水面に入る角度が変わり、ルアーを上へ引く力が強くなったり弱くなったりするためです。
もともと泳ぐ層が1〜20cmと浅いため、数cm違うだけで魚の反応が変わることがあります。アイマも、ベイトがいる層をきちんと通せるかどうかで釣果が変わるとして、ティップを上げ下げして合わせる方法をすすめています。
足場が高い場所では、ラインの角度が自然と立つぶん、ルアーは浮き上がりやすくなります。逆に足場が低いと深めに入りやすくなるので、場所ごとにティップの高さを変えて、背中が出るか出ないかの位置に合わせてください。
効く季節と場所
僕がリッパー90を投げているのは、河川と河口・干潟のシャローです。水深がない場所でも底に当たりにくく、浅場を広く探りたいときに出番が回ってきます。
季節は、春から初夏と、夏から秋にかけて。どちらもデイゲームで結果が出ていて、明るい時間帯に水面を意識している魚を狙うときの選択肢になっています。
夏場はチヌ狙いでも出番があり、前の章で触れたとおり、トップに反応がないときの次の手として頼りにしています。
リッパー90で釣れた時のタックル
リッパー90はシーバスとチニングの両方で使っているので、それぞれのタックルを紹介します。どちらも、12gのルアーを無理なく扱える範囲で組んでいます。
シーバスのタックル
シーバスでは、スピニングタックルにPE1号を合わせています。ロッドは、ビッグベイト以外で僕が常用しているものです。適合ルアーは6〜36gなので、12gのリッパー90は余裕を持って投げられる重さです。



チニングのタックル
チニングでは、ベイトタックルにPE0.8号の組み合わせです。こちらのロッドも適合ルアーは5〜24gで、リッパー90がちょうど真ん中あたりに収まりとても扱いやすいです。



他ウエイクベイトとの使い分け
90mm以上120mmクラスのものがいる場合の使い分け方
シーバス用の引き波系ルアーは100mmを超えるサイズが主流で、どれを投げるか迷う場面もあると思います。僕の場合、リッパー90と使い分けているのは大きいのにめちゃくちゃ飛ぶカウンターウェイク。選ぶときの軸は、ベイトのサイズと、釣り場の広さ・水深の2つです。
まずベイトについては、小魚がまだ小さい時期や、水面に見える群れが小ぶりなときはリッパー90を結びます。反対に、小魚が育ってきたら、ルアーもそれに合わせて大きくしていきます。
続いて釣り場について。川幅の狭い河川や水深のないシャローでは、小さく軽い90mmのほうが扱いやすいと感じています。一方で、広く開けたポイントや深さのある場所では、大きめのモデルに持ち替えて探ることがほとんどです。
まとめると、小さいベイトと狭く浅い釣り場ならリッパー90、育ったベイトと広く深い釣り場ならひと回り大きいもの。この線引きを持っておくと、大小の引き波系ルアーを無理なくローテーションに組み込めます。
リッパー90が向いてる人
リッパー90をいちばんすすめたいのは、90mm前後のコンパクトなウェイクベイトを求めている人です。引き波系はひと回り大きいモデルが中心なので、このクラスで頼れる1本があると、ルアー選びの幅がぐっと広がります。
たとえば、小魚がまだ育ちきらない時期に、ルアーも小ぶりなものに合わせたいと考えている人。あるいは、川幅の狭い河川や浅い河口がホームで、大きめのモデルを持て余している人。そうした場面にちょうど収まるサイズ感が、このルアーのいちばんの持ち味です。
さらに、夏にチニングをする人なら、シーバスと兼用できるのもうれしいところ。1つ持っておけば、季節や狙う魚に合わせて出番を作れます。

リッパー90のインプレまとめ
アイマのリッパー90は、引き波系のルアーとしては貴重な90mmクラス。実際に投げてみると、巻き心地はマイルドで軽く、飛距離も河川や河口で困らない程度には確保されていました。
使い方はシンプルで、背中が水面からのぞく速さでゆっくり巻いてくるだけ。そのうえでティップを立てたり寝かせたりすれば、数cm単位でレンジを調整できます。僕はこの釣り方で、河川や河口・干潟のデイゲームでシーバスを手にしてきましたし、夏場にはチヌも反応してくれました。
ベイトが小さいときや、狭く浅い釣り場で活躍してくれるので、サイズが上のウェイク系と組み合わせると攻め方の幅が広がります。小ぶりな引き波系を1つ加えたいと考えているなら、リッパー90を候補に入れてみてください。


