今日は珍しいシーバス(スズキ)の浮袋を使った料理レシピのご紹介です。
私割烹料理人だった頃にはまったく見向きもしなかった、本来なら捨てる部分です。
釣りで出会ったある漁師兼お魚屋さんから聞いてスズキの浮袋が美味しいということを聞いてやってみたのがきっかけでした。酒の肴になる珍味の料理をご紹介します。
クセが無く意外に旨いスズキの珍味
皮と並んで旨いスズキの浮袋はまるでホルモン
よくお魚ホルモンとして珍重されるのは、ボラのへそ(幽門＝通称ソロバン)や、マグロやクエなど大型魚の胃袋は料理されるけど、
すずきのこの部位が珍味になることを知ってはじめて食べたのが5年ほど前。
ちょうど知人の漁師さんに釣ったシーバスの写真を送って自慢してたら、いつの間にか知り合いの料理屋に持ち込んでこれで一杯やろう！、みたいな展開になり持ち帰ることになったそのとき
その知人が「久しぶり、スズキの浮袋食いて～な」と言い出して、「は？浮袋？」
となり、その時はじめて食った食感と味が衝撃的な旨さで驚いたのを覚えています。
胃袋はどうしても臭みが残っていて濃い味付けの煮付けなどにしないと難しいのですが、
クセがまるでなく、ほどよい旨味と、コリコリとした食感が楽しめる珍味です。
ちょうどおでん串に入っている牛のアキレス腱↓のような食感です。
こういうとイメージしやすいと思います。
まじクセはまったく感じません。
まずはシンプルにネギ散らして、もみじ卸とぽん酢で食感を味わってみてください。
そのほかにお魚のホルモンといったら、すし屋に勤めていた時につくったことがあるマグロの胃袋や心臓(ハツ)の煮付けや、高級料亭で働いていたたときに作った、クエの煮付けや鍋中に入れたクエの内臓なんかもありますね。クエもアンコウもほぼ捨てるところなく可食部が多い魚です。
ジーバス(スズキ)の浮袋料理レシピ
浮袋を取り出す
上の写真のこの部分を取り出します。よく胃袋と勘違いされますが、胃袋ではありません。
エラや内臓をすべて取り除くと、内臓を覆っていた中骨の部分に真っ白な皮のようなものがついています。ここが筒状の袋になっています。
包丁などを使わなくても、手でベリッと剝がせ意外に簡単に取れます！
浮袋の下処理
開き掃除する
浮袋は、まず袋状になっているものを包丁や家禽バサミで切れ目を入れて裂いて、平らになるまで開きます。
そして内部の細い血管や、脂肪を含んだ筋を取り除いていきます。きれいに取り除けたら、こんな感じになります↓
塩をしてヌメリを取る
しっかりと塩をまぶし軽く揉みます。
包丁でこそげ取れなかったヌメリを落とします。
さっと流水にさらして水洗いして塩を落とします。
熱湯でサッと茹でる
鍋に水を入れて完全に沸騰させます。グツグツと完全に沸騰させたお湯を鍋に用意し、そのなかに浮袋を投入してサッと茹でます。
火が通ってくると、クルンッと縮まってくるのが引き上げるサイン
ザルにあげて、氷水をいれたボールのなかで冷やします
茹でるとこんな感じになります↓
ほら？ まるで牛アキレス腱みたいでしょ！ もうお魚ホルモンです
ねぎぽん酢：シーバス(すずき)の浮袋料理①
【材料】
スズキの浮袋 60～70cmのすずき1尾分
刻みネギ
もみじ卸とぽん酢
あっさりねぎぽん酢は、食べやすいサイズに小さく切って皿に盛り付け、細かく刻んだネギと、もみじ卸を天に盛って、ぽん酢をまわしかけたら出来上がり!! いたって簡単です。
これがまた！、日本酒、焼酎がよく合うんです！コリコリとした食感がお酒のおつまみとして最適。シーバス(スズキ)がまるまる1匹あったら、ぜひやってみてください。
お酒のほうが足らなくなるかもです^^；
すじコン煮込み風甘辛炒め：シーバス(すずき)の浮袋料理②
【材料】
スズキの浮袋 60～70cmのすずき1尾分
きんぴらこんにゃく 浮袋と同量(約40～50g)
ごま油 小さじ1/2
醤油 小さじ2
みりん 小さじ1
鷹の爪(輪切り) 適量
おろし生姜チューブ 2cmほど
刻みネギ
牛すじコンニャク風に甘辛く炒めたものです。こちらはビールにも合います
□D＼(^_^ )ｶﾝﾊﾟｰｲ!
一口大にカット
同じ要領で下処理をした浮袋を、ねぎぽん酢のときよりも、大きめにコロロコとカットします。この時点で60～70cmくらいのすずきで約40gほど取れます。
合わせるコンニャクは刻みこんにゃくを使います。市販の最初から刻んであるきんぴらとか牛すじに煮込みにするやつを用います。
コンニャクをサッと水洗いし生臭さを取り除き、分量分だけ測り水揚げしておきます。すずきの浮袋と同量分くらいがちょうど良いです。
ごま油で炒める
フライパンにごま油を敷き、輪切りにした鷹の爪と浮袋とコンニャクを加えて炒めます。
味を含ませる
ある程度炒めたら、醤油とみりん、おろし生姜を加えて味を含ませながら、さらに炒めます。
水分が切れて、醤油とみりんが煮詰まったのを感じるまで炒めてください。写真のような状態になれば完成です！
皿に盛り天に刻みねぎを散らして完成です！これは日本酒や焼酎はもちろんビールにもよく合う酒肴です。ビール好きの方はやってみてください！
まとめ
いかがでしたか？シーバス(すずき)の浮袋はとても大きくてこうしてひと手間掛けると美味しい酒肴に早変わりします。河川や河口で釣っているアングラーの方のほかにもオフショアのライトジギングや、春の時期にサワラ狙いのブレードジギングの際にシーバスが掛かることもあります。
魚釣りが好きで、料理も好きな方はぜひ、一度お試しください。新たな食の発見があるはずです。
