エンパシー90のインプレを公開します。
アイマが発売するこれまでのシーバスルアーのカテゴリでは棲み分けできない個性的なルアーです。
その特徴ゆえに「どうやって使ったらいいの?」ということ声をよく聞かれるたので使用した僕の感想と使い方について解説します。
エンパシーの特徴

巻き速度と水流によって変わる変幻自在の多彩なアクション
エンパシーはプロアングラーの濱本國彦さんの監修によってアイマから登場したルアーです。
エンパシー90は水流のわずかな変化や、アングラーのリトリーブ速度をつかみ取ってオートマチックにアクションを変化させることができます。
シーバス釣りでもっとも基本的な釣り方である「ただ巻き」のみで4つの可変アクションをすることがいちばんの特徴となっており、監修した濱本さんも「説明が難しいルアー」と表現されているくらい、どのカテゴリにも属さない新しいジャンルのルアーです。
高速巻きでもアクションは破綻することなく、安定しています。またトゥイッチやジャークにも対応しています。このようにまさに変幻自在なアクションでシーバスを誘るルアーです。

エンパシー120のスペック
エンパシー120は、90のあとに出てきたサイズアップした派生型です。
エンパシー120はフックに#2がつけられているなど、まさにランカーまで見据えた使用になっています。
長さ | 重さ | レンジ | フック | リング |
---|---|---|---|---|
120mm | 31g | 20~80cm | #2 | #4 |
エンパシー90のスペック
こちらが本家のエンパシー90。これはこれでサイズ感といい重さと言いタックルを選ばない使いやすさがいいです。ほぼ通年通して使えるタイプです。
長さ | 重さ | レンジ | フック | リング |
---|---|---|---|---|
90mm | 17g | 20~60cm | #5 | #3 |
寄り道雑学
ちなみにこのルアーの名前となっているエンパシー(Empathy)とは他者の立場に立って心情などを自分のことのように想像することができることを意味すうるそうです。
もっと理解しやすいように言うと人間でいう「共感力の高い人」と表現するとわかりやすいかと思います。
いろんな水中の流れに自ら反応してアクションが可変する特徴を表しているのでしょう。
エンパシー120と90をインプレ

エンパシー120と、エンパシー90を用いて釣りをしてみたときの感想をお伝えします。
飛距離
ボディが腰高でファットな形状であるため見た感じは飛びそうにないですが、これがまた予想に反して良く飛びます。
ウエイトが前方は固定、後方は移動重心になっているので後ろに振りかぶると「カチッ」と音が鳴って後方ウエイトが即座に移動して、見た目からは想像できないほどスコ~ンッと飛んでいきます。
どれくらいの飛距離飛ばせているのか計測していないので明確なお応えはできませんが50、60mくらいは飛んでる感覚があります※(自分の行くポイントの周りの橋脚やストラクチャーとかの目測で)
120の場合ロッドは選んだ方が投げやすい

良く飛ぶのですがエンパシー120のほうは少々タックルを選びます。重さが31gもあるので通常のシーバスルアーの中ではそこそこの重量です(ビッグベイトを除く)。
そのため僕はルアーの許容重量が~56gのMHクラスのショアジギロッドで投げてましたが、それでもジギング用だと最初からティップが入って(ジグしゃくるのに柔らかくなっているので)、ちょっと投げにくかったです。
ビッグベイト用のベイトタックルを使うほどの重さは感じませんがルアーのキャスト許容重量はもちろんのこと、長さは9.6ft以上のMH~Hクラスでもいいような気がします。
スピニングならリールは4000番以上のリールでラインはPE1号~1.2号がいいです。
あ、そうだ!ブルーブルーのスネコン130投げた時と同じような印象ですね!(あれよろは飛ぶけど)重たく形状による空気抵抗が多いからでしょう。
フォールはほぼ水平姿勢

90は止めるとゆっくりフォールしていくスローシンキングタイプになっています。
フォールの姿勢はやや尻下がりのほぼ水平姿勢。シーバスにはこの水平姿勢が見切られないために大事で、止めてゆっくりフォールさせ食わせの間を与えてやることも出来ます。
120は流れのないところでは尻下がりでフォールしていきますね。まあエンパシーつかってフォールで食わせるとかはあまりないでしょうから別段問題ないです。
心地よい引き抵抗
大きく開いたカップ形状のためか引き抵抗もあり水中でアクションしていることもわかりやすい部類のルアーです。
遠くに離れた場所で水の中にあるルアーが今どんな状態かをイメージできるのってとても重要です。
カレントの切れ目とかわかります。プルプルいっていたものが緩やかな箇所に入ると急にス~ッとなくなります。アクションが変化しているのでしょう。下へ続く↓
4種類に変化するアクション
魅せて飽きさせない!スレさせない可変アクション

ただ巻きだけでもわずかな水流の変化をつかみ取ってローリング、ウォブリング、S字、千鳥足軌道と変化します。
ベイトの小魚ってよく見ると決して人間が思うほど一定の動きで泳いでいるわけではありません。
この予測不可能なイレギュラーなアクションの変化が、そういった小魚微妙な動きを演出してくれているわけです。
それもただ巻きだけで!!
ルアーが勝手に時折いい意味で姿勢を崩したりあっち向いてみたり、こっち向いてみたりしてくるわけです。そう考えるとめっちゃ使えそうな場所がイメージできますよね。
レンジーキープ力
表層から少し下20cm~80cm(90は~30cm以内)くらいのレンジのレンジキープ力が素晴らしいです。
止めてもスローシンキングなのでカキ瀬や敷石などリップラップの上とかでも根掛かりを恐れずに引いてこれます。シャローで使えるルアーです。
エンパシー120と90の使い方
デイゲームでもバッチリ!
シーバスのデイゲームでは僕の場合バイブレーションやスピンテールジグを使ったり早巻きにも対応しているミノーなどが出番が多いです。
そこでこのエンパシーを用いて速巻きするとまるでアクションが破綻するギリギリのところでじゃじゃ馬な動きをします。あるタックル通販のサイトでも監修した濱本さんが”タイトなバイブレーションのようなロールもする”と言ってました。
ほんとまさにこれで、イレギュラーなダートアクションをして、巻くスピードを緩めたり緩急つけてやるとS字もしたり…
と、一つのルアーで巻くだけで可変してくれるルアーはデイゲームでも使い勝手がいいです。
一辺倒な激しいバイブレーションのアピールではスレさせてしまうような状況にもエンパシー120と90は使えます。
もちろんナイトゲームも
もちろんナイトゲームでもスローにゆっくり巻いて通常のリップレスミノーのような使い方もできます。
スローでも水流の変化のみで不規則な可変アクションをしてくれるため、シーバスのスイッチを入れやすいと思ってつかっています。
僅かな水流にも反応してアクションするのでドリフトも有効です。流している時にも
ベイトがザワザワしていて、シーバスがボイルしている状況とかで試しに投げてみてください。こうした場面ではマッチザベイトのルアーよりもウォブンロール系の強アピール系ミノーなど派手に目立つルアーの方が食わせやすいのですが、そんな時もエンパシーは有効です。
表層から一枚レンジ下げたい時
僕の大好きなアイマのルアーにコモモ120Fがあります。伝説的なめっちゃ釣れるシャローランナーですが、これだと表層付近だけなので、
表層からもう一枚中層までいかななくてもレンジいれたときにこのエンパシーもってくると変化を持たせることが出来ます。
同じアイマのルアーで言うと、コモモよりも少し下のレンジにいれたといとき、裂波よりも上を狙いたい時のレンジコントロールのためのローテーションにも使えそうです。
120と90の使い分け
2つのサイズ違いのエンパシーの使い分けは大きく分けると時期とベイトのサイズ。ベイトサイズが徐々に大きくなって8cm~10cm前後になってくる初夏から夏の間までは90。
イナッコのサイズが10cmを超える9月~、秋冬のコノシロパターンや落ち鮎シーズンに入り出すころからはエンパシー120がいいのではと思います。
まとめ
こうして改めて考えるとこの一見簡単そうに見えてしまう水流など自然界の変化だけで「イレギュラーなアクション」がただ巻きだけで勝手に起こせるルアーってすごくないですか?
ネット上では可もなく不可もなく中途半端なルアーだと言われている方もいますが、使い手によってはそう感じることもあるいろんな状況下でオートマチックにアクションを可変させてくれる。これこそがエンパシーの最大の特徴です。
機械的なずっと一定の動きではなくまるで生きたベイトのごとくただ巻きだけでいろんな演出をしてくれるルアーです。
これって考えてみてください。ひとつのアクションに特化したルアーのほうがつくるのは簡単そうで(実際はたぶんそんなことはないのでしょうが…エンパシー120/90と比べるとです)
出来上がるまでに研究開発に相当苦労したであると容易に想像がつきます。
開発に携った濱本さんが「優等生じゃないことが優等生」と表現されているように特化したアクションをしない、単一の動きをしないことがこのルアーの良さです。
ルアーローテーションの幅を広げてくれるひとつだと思います。