18エクスセンスジェノスS92ML/F3インプレ!軽さと強靭さと粘るシーバスロッドの種族

2019年にエクスセンスシリーズに新たに加わったジェノス。昨今のシーバスロッドの話題を独り占めしていることは間違いないこのロッド。エクスセンス∞(インフィニティ)の血統を受け継ぐハイクオリティのロッド。

5人の各プロアングラーの監修によるそれぞれ個性のまったく異なるラインナップが特徴となっています。

エクスセンス∞で進化したシリーズのテクロノロジーはそのまま引き継ぎ、新たに個々にオンリーワンな独自設計を配した5アイテムの個性派集団がジェノス(種族)となっています。

そのなかでも僕にはいちばんバーサタイルで扱いやすく感じたS92ML/F3を購入したのでインプレをしてみたいと思います。

∞(インフィニティ)とジェノスの違い

∞(インフィニティ)との違い|18エクスセンスジェノス,インプレ,シーバスロッド

インフィニティは、批判を恐れずに言うとどちらかというと万人受けするバーサタイルの高級ロッドなのに対して、こちらはそれぞれの個々のモデルが個性を持った、それら目的やフィールド、ターゲットにより特化された専用シーバスロッドと言えます。

19エクスセンスジェノスの初回分はシマノのインストラクターである5人が監修し、それぞれ異なった特色をもっています。

S92ML/F-3のタイプ・特徴

S92ML/F3の特徴|18エクスセンスジェノス,インプレ,シーバスロッド

今回自分が手にしたS92ML/F-3はほかのモデルよりもさらに特化された部分があります。このロッドはあのシーバスデイゲームの面白さを世の中に知らしめたコアマンの代表、泉裕文さんの監修によって生まれました。

シマノ 25エクスセンス ジェノス S93ML・MH/F

初期モデルS92ML/F3はすでに廃盤となっています。最新のジェノスの中ではこちらが一番近い気がしています。

3ピースの利便性

現代のルアーフィッシングにおいてロッドは2ピースが主流ですが、このモデルはなんと3ピース!

もちろん持ち運びの利便性も考慮して、なおかつロッドの穂先の部分、1/3~1/4先だけ曲げる、いわゆるファーストテーパーを極端かつ大胆に設定する目的で3つに分割されています。

感じたのは釣行にバイクや自転車でランガンする際にはこのコンパクトさは非常にありがたい。優れた性能を持ったシーバスロッドでこの持ち運びが容易になるというのはなかなかお目にかかれない特別感があります。

また、ティップにはエクスセンスジェノスの中でこのモデルのみ唯一【ソフチューブトップ】が採用されています。このティップ構造は簡単にいうと、感度と乗せ重視の吸い込みやすさを追求するソリッドティップと通常のチューブラーのいいとこ取りをした合いの子。

乗りの良い柔らかいティップだとどうしてもだるんだるんになりがち…。キャスト時などにはシャキっとした弾性を損なわない硬さも保たれたティップとして開発されたものです。これが絶妙にいいいんです!使い心地は後ほど詳しく!

レングス

監修した泉さんいわく、泉さんの「身長は172cmで体力がそれほどあるわけでもない」そう。だからあまり長いロッドは必要ないらしい。けれど9フィート以下のロッドだと飛距離に不満が残る。そこで出た答えが9.2フィートという長さらしいです。

自分の身長も170cm弱で体系はやせ型。実はこれまでメインで使っていた9.7フィートのロッドは正直”長くて邪魔だな…”と感じていた。新しいロッドを選ぶときは9フィート前後のものにしようと考えていたので自分にとってピッタリだと思いまして迷うことなくこれに決めました。

肝心の飛距離についてもあとで詳しく説明します。この長さでも従来のもっと長いレングスのロッドと比べて…。これまた驚く!

軽さ

9.2フィートの長さで自重がわずか126g。これは驚異的な軽さだった。僕はチニングもやるし性能が良くて感度もいいロッドに共通する軽さは必然的にアドバンテージが大きいと感じているので、これもまた選んだ時の決定的なスペックでした。

実釣交えた各パーツごとの詳細インプレ

それでは、ここで実釣もしてきたので、実際に使用してみた感想も踏まえながら気になったところをピックアップ。
ひとつひとつ解説していきます。

見た目

見た目|18エクスセンスジェノス,インプレ,シーバスロッド

自然なカーボンの無塗装の外観は、派手さこそないが逆に強靭な印象。

よくあるテカテカのツルツルではなく、どちらかというと光沢のないマットブラック。カーボンを幾重にも巻いた部分が渋くてカッコイイ。自分好みです。

刻印、見た目|18エクスセンスジェノス,インプレ,シーバスロッド

また、写真のようなブランド名も吹き付け塗装でも彫り込んであるものでもなく、車のエンブレムのように突起したしたもので象られています。小さなことなんだけどこういうのがいちいちアングラーの所有欲をくすぐります。

ティップ

ティップ|18エクスセンスジェノス,インプレ,シーバスロッド

一番伝えたいのがこのティップ!このモデルの場合、食わせのノリが良さそうな実によく曲がる柔らかいティップなくせに、キャストしたときにはビシッと決まる。つまりシーバスを掛けた時には弾かずに乗せるほど柔らかいのに、振り込んだ時のブレの収束が早いんです。

実際にロッドだけを上下にブラブラ空振りするとティップの柔らかさは当然感じる。少しだるいんじゃないのかと思うくらい柔らかい。しかし!いざリールをセットしてラインを通しルアーを繋いでキャストすると…。

そんな迷いなんて一気に吹っ飛んだ!!

キャスト時のブレが少ないので精度も向上。自分が上手くなったように錯覚さえさせられる。乗せ重視の柔らかさも備えつつキャスト時のこの爽快感は異次元。今のシマノのロッドテクノロジーが惜しみなく注ぎ込まれたブランクスとS92ML/F-3にのみ採用されたソフチューブトップの恩恵だと思われる。

ブランクス

ブランクス|18エクスセンスジェノス,インプレ,シーバスロッド

最初に開封したときにティップを見た印象と同じ、ブランクスも「ほっそッ!」

こんなに細くてデカいシーバス掛かったとき耐えられるのか心配になるほど細くて軽くよく曲がる。実際に実釣してみて魚を掛けた時のパワーはもちろん、実際釣りの途中に根掛かりしてしまい、強引に引っこ抜こうとするとロッドが曲がる曲がる!、中心部からグニャ~とw

さすがにそれ以上曲げるのは怖かったので途中であきらめましたが。あのままやってたらスポっと取れちゃうほど強いブランクスかもしれません。

おそらく曲がることでタメが効き粘るのでしょう。この粘りがパワーになっているに他なりません。かといって通常の粘るためゆえのダルさは一切感じません!

ましてや、パックロッド並みの3ピースによる欠点なんて微塵も感じませんでした。

ガイド

ガイド|18エクスセンスジェノス,インプレ,シーバスロッド

バットガイドにエクスセンスジェノスから採用されたシマノの新しいロッドテクノロジー「X ガイド」。空気抵抗の軽減も計算された角のない丸みを帯びた形状の中が空洞になっている軽量チタンで作られたフレームに特殊表面仕上げを施した高強度・高耐摩耗性の軽くて肉薄の金属リングが加えられています。ラインの放出抵抗とキャスト時の空気抵抗を低減してくれるらしいです。

自分はプロではないので、ガイドそのものの性能の違いとかよし悪しはハッキリと感じられなかったが、キャストフィールがすこぶる心地いいと感じるのはこういった恩恵も受けていることは疑いようがありません。

エンドグリップ

エンドグリップ|18エクスセンスジェノス,インプレ,シーバスロッド

グリップエンドはカーボンモノコック構造になっています。インフィニティのように斜めにカットされたデザインではなく同シマノのバスロッド「ポイズン」のグリップに似てる。

特に持ちやすいとかはないけど、見た目がマットブラックですっきりしていて好印象だし、軽く手元の端まで伝わってくる感度はこの構造でしか味わえないと思います。

実はこれを使って依頼、ロッドは他の釣り種でもなんだかカーボンモノコック以外魅力的に感じなくなってしまったほどです。

リールシートとフォアグリップ

リールシートとフォアグリップ|18エクスセンスジェノス,インプレ,シーバスロッド

はじめて手にして特に印象に残っているひとつがこのフォアグリップとリールシート部分の握った時のホールド感。かなり贅肉をそぎ落としたスリムな形状で、手の小さい人でもガッチリ握りやすくなっています。
上から見るとかなりスリムな抜群のスタイルをしていますよね
(´。✪ω✪。 ` )ウットリ…

エクスセンスシリーズの特徴だと思われる。ほかのブランジーノなどのシーバスロッドにはないスリム感があります。

キャストと適合ルアー重量

キャストと適合ルアー|18エクスセンスジェノス,インプレ,シーバスロッド

デイで実釣することが多かったのでバイブレーションにレンジバイブの70ESの15gと、グラバーHI89S(13.5g)を試投してみたけどビックリ!!

シーバスで頻繁に使う15g前後のルアーがちょうどよいと感じました。このあと試しにもう少し重たいスイッチヒッター85S(20g)を投げてみましたが、これもまたいい感じで投げれる。若干垂らしただけの状態でティップが下を向くが投げる前から先重りを感じるほどではなかった。まだもう少し重たいのもいけそうに感じました。

スペック上は32gまでいけると記載がされているけど、おそらく~25gくらいまでが気持ちよく扱えるルアーの許容範囲だと思います。

とにかく軽い力で良く飛ぶ、テイクバックで後ろに少し傾けるだけで勝手にルアーの重みを載せて跳ね返してくれる印象。

実際に測っていないのでわからないがS92ML/F3の9.2フィートであるにも関わらず、これまで使っていた9.7フィートのブランジーノ並みに飛距離が出せている感じがしました。

キャストフィールはかなりいい!!

ポインター

ポインター|18エクスセンスジェノス,インプレ,シーバスロッド

このセットポジションを示してくれるポインター。2ピースでも大概のものには付いているけど特に気にしてこれをみながら接続することはほぼないけど。。。

S92ML/F3のモデルは3ピースだからこそ、これはあるとけっこうありがたいのでは。

1本目がちゃんと繋げられていて2本目と3本目もまっすぐつなげられたとしても1本目と3本目のがズレてたりすることだってありえます。そんなときには助かるのかな…。真っ暗なナイトゲームだと見えないだろうけど…(苦笑)

ルアークリップ

ルアークリップ|18エクスセンスジェノス,インプレ,シーバスロッド

ベイトのバスロッドなどには付いている機能だがスピニングではほぼないですよね。スピニングの場合、ランガン中移動する際にルアーはガイドやリールのベールに引っ掛けておくことがほとんど。けどこれがあると助かります。

代用がきくものでなくても大丈夫だが、あるととても実用的だし高い確率で使うありがたい機能です。

2点ベルトが付属

付属品|18エクスセンスジェノス,インプレ,シーバスロッド

3ピースに分割して運ぶ際に使えるロッドベルトが上と下で2本付属してあった。これも気の利いたアイテムで非常にありがたい。肩や背中に背負うロッドケースにしまい込むにしてもバラバラ動くまま入れておくのはロッドにもよくないですよね?

買わなければいけないと思っていたのでこれもあって助かりました。

まとめ

エクスセンスのインフィニティは高価過ぎて、買えなかったけど、ジェノスが誕生してくれちょっとだけ身近になりました。(それでも決して安いロッドではないけど…)出た当初にすぐに購入しました。素人のベテランアングラーの方でもジェノスをメインにしている人はこれからも増えていくような…そんな予感さえさせてくれます。

今回僕が使ったのは1モデルのみですが、確実に言えることは性能はハイエンドに勝るとも劣らない高スペックであるということは言い切れます。また、文中でも言いましたがインフィニティよりも個々のモデルがある一定の釣り方にフォーカスされている個性派揃いです。

その中でも僕的に柔軟なティップでちょうどよい長さと軽さという点で選んだS92ML/F3以外にも魅力的なロッドがたくさん揃っています。ぜひ気になる方は手にしてその類まれな性能を感じ取ってください。

シマノ 25エクスセンス ジェノス S93ML・MH/F

初期モデルS92ML/F3はすでに廃盤となっています。最新のジェノスの中ではこちらが一番近い気がしています。

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