ライズジョイントのインプレをします。
シマノのチヌゲームに特化したブレニアスのライズシリーズに新たに加わったポッパーの特徴と、先代のライズポップとの比較やカラーラインナップを紹介し、実釣による率直な感想と使い方をみっちり解説していきます。
ライズジョイントの特徴

ライズジョイントはシマノから発売された珍しいジョイント式ポッパーです。同社が売り出すチヌゲーム特化ブランドのブレニアスのルアーであるライズシリーズの新作になります。
ボディがフロント側とリア側で分かれてジョイントされていますが、そのほかのジョイントルアーと異なり、左右に遊動するのではなく縦に動きます。
これによって、小さく硬い口でついばみバイトするチヌのフッキング率を上げることに成功しています。
チヌトップってバイトしても乗らない事象が多い釣りです。そこを改善するためにリアフックの部分は常に水中の、バイトしても乗せやすい位置にあり掛けやすく、遊動するためバラシ難い構造になっています。
これだけでもかなり特別感のある個性的なポッパーであることが伺えます。
アクションというより、フッキング率向上&バラシ軽減ためのジョイント設計
ラインナップ

サイズ展開はワンサイズのみ。カラーラインナップは、ホロ系やクロム系もあるほか、クリアボディにテールのみホロになっている珍しいチョットベイトや、僕の好きなTウォーターメロンなどクリア系が充実しています。全部8種類が用意されています。
シマノ ブレニアス ライズジョイント75F

長さ | 自重 | フック |
---|---|---|
75mm | 10g | #8×2 |
ライバル!? との違い

「んむ…これは?」とお気づきの方はかなりのルアー通です。ジョイント式ポッパーと言うとこれまでスカジットデザインズのジョッピーがありましたから、そちらを思い浮かべた方もいると思います。
長さはほぼ同じ(ジョッピーは70mm)で、パッと見は同じポッパーなので非常に似ていますが、ジョイントの可動域がまるで違います。
ライズジョイントはフロント側のアイが横方向への遊びが軽減されている(!?おそらく)形状になっていて、分割位置がより後方にあります。方やジョイントされているインジェクション部分が2個のアイで連結、分割位置がフロント寄りになっています。
どちらもテールフッキング率を高める効果がありますが、ライズジョイントは、アクションへの影響というより、後方ボディ自体が遊動式フックとしての役割を果たす設計になっていることで、ライズジョイントのほうがよりその効果は高いでしょう。
実釣インプレ
ここからは実釣によるインプレです。
実際に使ってみてチヌを釣ったときの素直な感想をお伝えします。
姿勢

僕の中でトップウォータールアーのこの浮き姿勢は大事だと思っています。釣り種の違いによるターゲットが変わればこの求められる浮き姿勢も変わってきますが、チヌの場合はリアが沈んでいるほうがいいんです。
けど他のポッパーと異なりライズジョイントはフロントボディは水平を保ち、リアボディはしっかり水中の中にあります。このことで前方はアクションと浮力、後方はフッキング精度を高めるのに貢献していると思います。
飛距離

これですよね…。はやりこういったジョイント式のルアーにありがちな、キャストしたあとに姿勢を崩しやすいので空気抵抗が増えてあまり飛ぶ印象はなかったです。重さも10gとこのクラスのポッパーにしては自重のあるほうですが、
正直、「飛んでるな~」という印象はまったく感じませんでしたw
けど、あとで適したタックルの箇所でも説明しますが、重心が乗りやすく、初速がついてしまううスピニングよりもベイトタックルのほうが、断然飛ばせます。
ドッグウォークとアピール力

ドッグウォークさせた時の泡と飛沫の具合は、同じシマノのブレアニスシリーズのライズポップよりも控えめです。
ライズポップにはフロントカップから頭上へ抜けるバブルチャンバーがついているので派手にバチャバチャするアピール系ですが、ライズジョイントにはチャンバーがなくカップの水受けとボディだけのアクションですのでPOP-Xほどのローアピールでもないけど、同シリーズの先代と比べるとアピール力は控えめな印象です。
昨今のハイプレッシャー化したフィールド事情を鑑みると、これくらいが妥当なのかもしれません。
ポッピングの操作性はまずまずといったところ。可も不可もなくといった感じです。最初はジョイントによってポッピングし難いのかなと思っていましたが、そんなことはありませんでした。
ただ巻きで引き波アクション

公式HPにも記載があったので、ちょっとやってみたのですが、アクション入れずにただ巻きしてくると、ボディが潜らずに水面を真っすぐ滑ってくるように引き波立てながら引いてこれます。
トップじゃ反応しないときに、一枚潜らせてウエイクベイトやスピンテールジグを使ったほうが有効だと思うし、これはあまり使いどころがないかもしれませんが、
ポッピングアクションに反応しない、散らしてしまうような状況の時にドッグウォークの合間とかに入れてもいいかなと思いました。
バラシ難さ

この記事を書く前に、実釣を2日に分け、それぞれ1匹ずつ2匹釣り上げた中で、2日目に掛けた45cmにチヌはフロントとテールの両方のフックが口の上下に刺さっていました!
これは、公式HPのスペック記載にもあった通りでした!
リアに掛かったあと、ジョイント部が遊動することでフロントボディが顔周りにまとわりつくようにフッキングしていました。
最初に食って来た時点でテールフックが下唇に刺さり、その後、暴れる魚に追従するようにジョイント連結されたフロントボディがクルクル動いて上唇にもフッキングしてる証拠です。これでバラすはずがありません。この性能がライズジョイントの真骨頂と言えるでしょう。
テーリングはほぼしない

使う前にジョイントによるキャスト時や、アクション時にラインを拾ってしまうテーリングがあるのでは?と僕は心配していましたがまったくの心配ご無用でした。テーリングなんてほとんどないです!!
スナップを利用して使っているときに、たまに流れの中で一旦止めて動かすとラインが先行してフロントもしくはリアフックがラインを拾ってしまうことがありますが、それはほかのどのポッパーでも起こりうることなので問題なしです。
PS.僕は面倒なのでスナップつけてますけど、トップルアーはアイに直結がいいですw((;^_^A) そのほうが結び目に遊びがないのでアクション(ドッグウォーク)させやすいと思ってます。まぁこれも慣れでなんとかなります…。
ライズジョイントの使いどころ

アピールが強いわけでも、弱いわけでもないのでこれと言って特に使いどころがあるタイプではないと思うのですが、このライズジョイントの最大のフッキングしやすさと、バラシ難さを生かすのであればバイトがあっても乗らない状況など、やや活性が低い状況のときなどに出番ではないでしょうか。
また、アピールやアクションを二の次にして「バイトあったら絶対に掛けてやる!!」と言う方ならば、はじめから投入してパイロットルアーにも成り得ると思います。
このライズジョイントを、言葉で説明するのは非常に難しいです。寄せて来るルアーでもないし…。ましてや食わせのルアーぽいけど、そっちでもない…。”掛けたものは必ず獲る!” そんなルアーです。
バイトがあっても乗らない時
活性が低く、バイトが弱い状況
アピールは二の次に“掛けたものは絶対に逃がさない”ならパイロットルアーとして!
ライズジョイントに適したタックル

インプレの文中でも言った通り、僕はライズジョイントはベイトタックルのほうが投げやすく、飛距離が出せる気がします。一度スピニングでも使ってみましたがとにかく飛距離がイマイチでした。
スピニングだと初速が付く際にジョイント部が動き回転してしまうためだと思います。半面ベイトだとふわっと投げるので姿勢が安定しやすいのだと思います。
個人的な意見ですけど、ベイトだとトップやっていても今日はダメだと判断したらほかのプラッキングはもちろんボトムだってやりやすくなるのでベイトチニンガーはいつもライズジョイント常備していれば問題ないと思います。
インプレ時のタックルデータ
ロッド:シマノ 23ブレニアス エクスチューン B76ML
リール:シマノ 22メタニウム シャローエディション
ライン:デュエル スーパーエックスワイヤー8 0.8号
まとめ
見た目のジョイント式と相まってどんなアクションをするのかと思っていた期待もいい意味で裏切られました。このルアーは決してアクションがどうのこうのではなくてフッキング率向上とバラシ軽減、この2つの大事な点をきっちりカバーする性能が、ほぼ完成形で装備されています。
冗談交じりにアクションや個性ついては、可もなく不可もなくとも言たったけど、ここぞ!という場面で使うルアーではなく、「バイトは逃さずキャッチ」、「一度掛けたものはバラさない」という釣りの”釣り上げる”という基本概念を思いださせてくれる…。そんなルアーです。
気になっていた人は手にして使ってみて、この性能を体感してみてください。
シマノ ブレニアス ライズジョイント75F
