
釣った魚を料理する場合のお刺身や唐揚げの後に残ったあら骨を使って吸い物をつくります。
吸い物は口にして喉を通り胃の中に届くとホッとすると同時にどこか高級感のある洗練された味わいを感じます。
その透き通るような味わいの中にもコクのある吸い物のつくり方をご紹介します。
魚のあら骨から取り出した旨味をぎゅっと封じ込めた美味しいあら汁をどうぞ!
魚の吸い物(あら汁)レシピ
白身魚だけでなく青魚でも出来る!!あらでつくる簡単釣り魚料理
料亭などでは、お頭つきの刺身ののあと懐石コース料理の最後や食事どきに供されることのある魚のお吸い物。
白身魚のイメージが強いお吸い物ですが、もちろん青魚でも美味しいあら汁ができます!!
臭みを出来るかぎり抑える下処理の工程と、生臭くならないように十分に水分に魚のうま味を乗せるコツさえ掴めば、簡単にできる美味しい魚料理が完成します。
ここではチヌを使って臭みを消して魚自体の旨味を凝縮させるコツを解説していきます。
チヌ(クロダイ) あら骨 1尾分(約200g)
昆布 (5~6cm角)1枚
水 550cc
酒 大さじ 2
白ネギの青いところ 1本分
白髪ねぎ 適量
三つ葉 適量
薬味(柚子こしょう)※青魚の場合などに
あら骨・腹骨の下処理
魚のさばいたときに残ったあらを用意してください。
魚のあら骨の処理の仕方、小分けの仕方については下記のページで詳細に解説しています↓

まずは、小さく小口切りにしたあら骨に塩をします。
これは下味をつける目的ではなく余分な水分と同時に臭みを抜くためです。

塩味がキツくつきすぎないように片面だけに軽くまぶします。
腹骨も同時に、食べやすい大きさに切り、軽く塩をします。
このまま15分ほど置いておいて塩の浸透圧で余分な水分が出るのを待ちます。
そのあと流水で塩をさっと洗い流します。
●あら骨の下処理は手を抜かずに丁寧に
●余分な臭みの原因と水分をここで覗いておく
魚の味を引き出す

鍋の底にさし昆布を敷き、魚のあらを入れます。
鍋の底に敷くのは魚に先に火が通ってしまい鍋底にくっついてしまうことを防ぐためです。

あらに日本酒をまわしかけたのち、水を適量(ここでは550cc)入れて強火で沸騰させます。
ここは必ず水から火を入れてください。沸騰したお湯からでは魚の旨味が水分に浸透しません。味噌汁のレシピのページでもお話ししている大事なことなので、しっかり守ってください。

少し魚が白っぽくなって鍋のふちのほうからフツフツと言い出したら(このあたりがちょうど約70度あたり)
魚の青臭さを緩和するために、匂い消しの香味として白ネギの青い部分を入れます。
魚独特の臭みを和らげる香味野菜の役割を果たしてくれます。

ぼこぼこと完全に沸騰させるまで火入れし、魚の旨味が水分に十分落ちるまで煮立てます。
火を中火にして、ぽつぽつと出てくるアクを取り除きます。
アクを丁寧に取り除くことは吸い物など汁物をつくるときの大切なことですが、アクを取る際に魚の浮いている脂まで余計に取り除いて、せっかくの魚のうまみ成分も捨ててしまわないように注意しましょう。
このときに昆布のだしに負けていないくらい魚の味が水分に充分落ちていることが肝心です!!
途中で味をきいてみて、魚の味が乗っていればOK
●アクは取り過ぎない(魚の油脂は残す)
●充分に魚の味が引き出されるまで待つ
うす味に調味

アクを丁寧に取り除いたら、適量の塩で調味します。好みの加減でよいですがあまり塩がきき過ぎると魚の旨味が感じにくくなるため薄味にすることが肝心です。
塩加減がいい感じになったら、火を止めて少量のうすくち醤油を少量加え香りづけします。
器にあらを盛りつけ汁を注ぎ、白髪ねぎと三つ葉を天に盛って完成です!
サバやブリなどの青魚でつくった吸い物(あら汁)の場合には、薬味に柚子こしょうを適量を天に添えるとグッと高級感が増し青魚特有の青臭さが旨味へと変化します!!
