シーバスルアーの定番として長年愛され続けているのがバスデイの「レンジバイブ」。
サイズやモデルの豊富さに加え、ただ巻きでしっかりとしたアクションを生み出す扱いやすさが魅力で、多くのアングラーから信頼を集めています。
本記事では、その特徴やラインナップ、人気カラー、そして実際の使い方までを順に紹介し、最後に筆者が愛用する70ESのインプレをお届けします。
レンジバイブの特徴

バスデイが手がける定番バイブレーションプラグが“レンジバイブ”で、ソルト・淡水問わずシーバスやヒラメ、青物から、ソルトのルアーというイメージが強いですが実はブラックバスにも効果を発揮する多様なターゲットに実績があるルアーです。
ナイフエッジ構造を持つボディデザインにより、発売当初はそれまでのバイブレーションにあった波動の大きさからくる”巻き抵抗の重さ”を減らすことに成功し、水中での波動とヒラヒラした動き(フォールも含めて)が強調され、ただ巻きやリフト&フォールなどの基本操作で十分に誘いをかけられることが大きな特徴です。
販売実績・人気度も高く、累計販売数は200万個を突破しており、シーバスアングラーの間では「まず持っておきたいルアー」のひとつとされています。また、見た目と使いやすさのバランスが取れており、初心者から上級者まで幅広く支持を集めていて、SNSや釣りブログでの登場頻度も高いバイブレーションです。
“レンジバイブ”という名のとおり、狙いたいレンジ(水深帯)を探ることが容易で、飛距離・泳ぎのレスポンス・操作性の3点がバランス良く設計されている点が、多くの実釣者から高評価を得て続けている理由です。
ラインナップ
バスデイの代表的バイブレーションモデル、シリーズは45mmから100mmまでのESモデルを軸に、ES モデル(エクストラシンキング)を軸に、タングステンウエイトのTGモデル、メタル素材のアイアン(IRON)など、多彩なバリエーションが揃っています。
レンジバイブのラインナップは、サイズ・重量・素材・モデル別に多様で、釣り場や狙う魚種・レンジに応じて選べる構成です。
45ES(約45mm / 約6.3g)
河口や河川、漁港での小型魚、アジなどをターゲットにする“サーチ”用途に最適。体積も小さく操作が軽めで沈みこまないので、渓流のトラウトにも使うことができます。
55ES(約55mm / 約10g)
45ESと70ESの間を埋める万能サイズ。中間レンジや変化のあるボトム帯、橋脚周りなどで扱いやすい。僕はこれを河川のシャローでチヌ狙いに使っています。また、シーバスでは早春のマイクロベイトパターンにも適しています。
70ES(約70mm / 約15g)
定番サイズ。シーバスでのメインサイズとして多用される人気。飛距離・泳ぎ・波動のバランスが非常に良い。フラットフィッシュにも適しています。
80ES / 90ES / 100ES
数字は長さを表し、サイズアップされるほど重さも増して飛距離・深いレンジを攻められるようになる。例えば 80ES(約23g)はサーフや磯での遠投向き、100ES は沖の大型シーバス・サクラマスなどの大型対象魚に実績があります。
TGモデル(55TG, 70TG)
鉛よりも比重の重いタングステンを用い、体積を減らし重さを維持できるため、ルアーのシルエットを小さくしたいとき、サイズが小さくても重さがあることで飛距離と沈下速度、潜航深度を保ったままダウンサイズが可能に。深めのストレッチや潮の速いエリアで有利に扱えます。
このほかにもオリジナルとは異なるIRON(メタルバイブ)なども用意されています。
僕自身は河川河口のシーバスと、サーフのフラットフィッシュに70ESを基本に、ベイトが大きく遠投したいときに90ESを使用し、アジングやチニングなどのライトゲームで45ESと55ESを使っています。
レンジバイブの人気カラー

すでに登場してから長くの間愛され続けているベストセラーなので、時代の流れに乗ってさまざまなカラーが追加されており、サイズごとに、トラウトやライトゲーム~青物など大型魚などそれぞれのターゲットに有効なカラーラインナップが用意されています。
特にソルトウォーターの充実度が高く、45ESなどアジやメバルに特化されたものはクリア系が充実しており人気があります。
また、シーバスやフラットフィッシュ、青物などではイワシ、キビナゴ、カタクチ、ボラなどホロやシルバーなどのリアルフィッシュ系カラーが人気です。現在、タチウオに有効なケイムラカラーなども追加されています。
僕の使うカラーは、水がクリアなときはリアル系を最初に投入して、濁りがある場合はグリーンゴールドなどゴールド系、また夕マズメ~ナイトゲームにアカキンやチャート系を使い分けしています。
レンジバイブの使い方
優秀だからこそただ巻きがキホン
レンジバイブの使い方の基本はシンプルで、もっとも効果的とされるのが“ただ巻き”です。キャスト後、狙いたいレンジまで沈めたら、リトリーブ速度を調整して泳がせるだけで十分にアピールしてくれます。
例えば、表層近くを攻めたいときは巻き始めを早めに行い、逆にボトム付近を探りたいときはしっかり沈めてからスローに巻くことでレンジをコントロールできるバイブレーションです。速度を微妙に変化させるだけでも食わせの間を生み出せるため、同じポイントでも巻き方を工夫することで反応が変わってきます。
もちろん、リフフォやストップ&ゴーも
補足的な使い方としては、リフト&フォールでフォール中のバイブレーションを活かす方法や、ストップ&ゴーで不規則な動きを演出する方法も有効です。
特に活性が低い魚には、ただ巻きの合間に一瞬止めたり、軽くリフトさせて落とす動作を織り交ぜることで思わぬバイトを誘えることがあります。基本はただ巻き、状況によってアプローチを変えたい時にしっかりレスポンスを返してくれることがレンジバイブが優秀な点です。
レンジバイブ70ESのインプレ

ここからは、おそらくレンジバイブの中でも一番使われているであろう70ESのインプレです。
シーバスやフラットフィッシュではド真ん中サイズのバイブレーションです。
スイムとアクション
ソリッドバイブレーションらしい、やや前傾姿勢で泳いでくれます。アクションは多くの他のバイブレーションのように尻尾を振ってバタバタというよりは、前方から確認するとピッチが狭くてややローリングの入ったアクションを高速でしている感じです。
この動きがフィッシュイーターの食い気を反射的に刺激するのでしょう。
巻き心地
僕は昔のアングラーなので、レンジバイブが登場するまでシーバスの定番だったマールアミーゴのあの重たい巻き心地がバイブレーションなのだと、信じて疑いもしなかった時期がありましたが、レンジバイブを使った時衝撃が走ったのを覚えています。引き抵抗が少ないのです。
このナイフエッジ形状による水を切り受け流すことで大きな波動と同時にアングラーの手元に伝わる振動を軽減してくれるのです。今では、どこのソルトバイブも同じような形状をしていますが、その先駆けとなったパイオニアであることは言うまでもありません。
スロー~ファストまでしっかり泳ぐ
ミディアム~ファストリトリーブが釣れると思っている巻き速度ですが、ナイトゲームやバーススリットの出口やバックウォーターの手前などピンポイントで長くルアーを見せたい時にスローでもしっかりバイブレーションアクションをしてくれます。
ベストセラーたる性能の高さを物語っています。
普通に飛ぶ
どこが普通なのか判断基準と表現が曖昧ですけど、普通に飛びます。同じようなバイブレーションでも思ったよりも飛ばないルアーってあるじゃないですか!?レンジバイブはそんなことはありません。
70mmのサイズで15gの重さで普通に狙った箇所へ送ることが可能です。
レンジコントロールも思いのまま
着水してからカウントダウンすれば任意のレンジに潜らせることができます。潜航深度は70ESで3mくらいは潜る印象です。
また水キレの良い形状なので立ち上りも良く、レンジキープ力も優れています。リトリーブ際s中にロッドの上下動作だけでもレンジコントロールが出来ます。
サイズがデカいとリフフォでエビる!?
ここは70ESのインプレなので、ちょっと欠点というか好ましくない点を追記しておくと僕が使っている70,80,90ではただ巻き以外のリフト&フォールやストップ&ゴーを入れるとエビることがあります。それ以外の45や55ではほぼ起きません。
やはりこれは縦の誘いで使うのではなく、ただ巻きで”巻き物”として使うのが最適な使い方だと思うバイブレーションです。
バイブレーションに迷ったらまずレンジバイブ!
レンジバイブは発売から長い年月を経てもなお、多くのアングラーに選ばれ続けている定番ルアーです。豊富なサイズとモデル展開、状況に合わせて選べるカラーバリエーション、そして誰にでも扱いやすい“ただ巻き”で確かな釣果をもたらす実力は、多くのフィールドで実績として証明されています。
特に70ESはシーバスゲームにおける王道サイズとして信頼性が高く、フラットフィッシュや青物にも応用できる汎用性の高さも魅力です。
今回紹介した特徴やラインナップ、人気カラー、使い方を踏まえれば、初心者からベテランまで幅広い層が釣果アップにつなげられるはずです。シーバスをはじめとする様々なターゲットに有効なバイブレーションとして、ぜひ自分のスタイルに合ったレンジバイブを選び、次の釣行でその力を体感してみてください。
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