夏休みが近づくと、「子供と一緒に釣りに挑戦してみたい」と考える親御さんも多いのではないでしょうか。夏の水辺は生命感にあふれており、親子で自然と触れ合いながら釣りを体験する絶好のチャンスです。
ファミリーフィッシングは、子供にとって一生の思い出になる素晴らしいアクティビティですが、小学生以下のお子さんを連れて行くとなると、安全面や「本当に釣れるかどうか」など、事前に押さえておきたいポイントがあります。せっかくの休日ですから、家族みんなが笑顔で終えられる釣行にしたいものです。
そこで今回は、夏のファミリーフィッシングを大成功させるために、この時期に狙える魚や手軽な釣り方、必要なタックル、そして絶対に外せない安全対策までを、僕の経験を交えて分かりやすく解説します。
夏に釣れる魚の仕掛けと釣り方
夏の海や川は多くの魚が活性化するベストシーズンです。ここでは、親子でのファミリーフィッシングで狙える代表的な対象魚と、それぞれの仕掛けや釣り方の基本を解説します。
後半の章で具体的な釣り方の手順を詳しく紹介しますので、まずは「どんな魚がどんな仕掛けで狙えるのか」の全体像を掴んでみてください。
アジやイワシ、サバなど小型青物

夏に最もおすすめなのが、群れで回遊してくるアジ、イワシ、サバなどの小型青物です。
- 仕掛け:サビキ仕掛け(足元に落とすタイプ)
- 釣り方:コマセ(撒き餌)を入れたカゴを海中に落とし、竿を上下に振って餌を煙幕のように広げて魚を誘います。群れが回ってくれば、お子さんでも一度にたくさんの数を釣ることができる、ファミリーフィッシングの王道ターゲットです。
シロギス

「砂海の女王」とも呼ばれるシロギスは、夏に浅場へ集まり、堤防や砂浜から手軽に狙えます。
- 仕掛け:ちょい投げ仕掛け(小型の天秤と2本針)に、虫エサ(ジャリメなど)
- 釣り方:仕掛けを軽く投げて海底まで沈め、オモリが底を小突くようにゆっくりとリールを巻いて誘います。「ブルブルッ」とした明確なアタリが手元に伝わるのが魅力です。
ハゼ

夏から秋にかけて、身近な河口や運河などの汽水域で簡単に釣れるのがハゼです。
- 仕掛け:ちょい投げ仕掛け、またはノベ竿を使ったシンプルなウキ釣り・ミャク釣り仕掛け
- 釣り方:川の底にいる魚なので、仕掛けをしっかり底まで落とすことが大切です。少し仕掛けを動かして砂煙を立てるように誘うと、好奇心旺盛なハゼがすぐに食いついてきます。お子さんの入門にも最適です。
レンコ鯛やチヌ

身近な防波堤から狙える大物として人気なのがチヌやレンコ鯛です。夏は警戒心が薄れ、浅い場所まで餌を求めて入ってきます。
- 仕掛け:ウキ釣り仕掛け(フカセ釣り)や、手軽なブッコミ釣り仕掛け、ルアー
- 釣り方:堤防の壁際や海底付近をじっくりと狙います。非常に引きが強くスリリングですが、アワセ(針を掛けるタイミング)ややり取りに少しコツがいるため、親御さんがサポートしてあげると良いでしょう。
コチ

砂地に潜む平たい体型の魚で、夏の照りゴチと呼ばれ、メゴチやマゴチなどが釣れます。
- 仕掛け:生き餌(釣ったキスやハゼ)を使った泳がせ釣り仕掛け、またはワームなどのルアー
- 釣り方:海底にへばりついて獲物を待っているため、仕掛けを底付近にキープします。泳がせ釣りの場合は、餌の魚が暴れる動きでアピールし、大きなアタリが出るまでじっくり待つのがコツです。
タチウオ

夏から秋の夜釣りで大人気のターゲットがタチウオです。夕方から夜にかけて、堤防の近くまで回遊してきます。
- 仕掛け:電気ウキ仕掛け(キビナゴなどをエサにする)、またはテンヤ仕掛け
- 釣り方:タチウオが泳いでいる深さ(タナ)にウキを合わせ、じっと待ちます。ウキが海中に沈み込む瞬間は非常にエキサイティングで、夏の涼しい夜釣りにぴったりです。
ブラックバス

身近な野池や河川などの淡水(青野原や湖など)で手軽に狙える、ルアーフィッシングの好ターゲットです。
- 仕掛け:ノーシンカーリグやダウンショットリグなどのワーム仕掛け
- 釣り方:夏のブラックバスは、日差しを避けて橋の下や水草、障害物の影(シェード)に隠れています。そういった涼しい場所を狙ってワームを静かに落とし、ゆっくりと誘います。
親子で釣り出来るおすすめポイント
小学生以下のお子さんを連れてのファミリーフィッシングでは、魚が釣れることと同じくらい「安全で快適に過ごせる場所かどうか」が重要になってきます。ここでは、親子で安心して竿を出せる代表的なポイントの特徴を解説します。
漁港や堤防

海釣りの最も代表的なポイントで、身近でありながら多くの魚種が集まる魅力的な場所です。
足場がコンクリートで平らな場所が多く、クーラーボックスを椅子代わりにしたり、荷物を広げてのんびり釣りをしやすいのがメリットです。船の通り道(航路)や堤防の際など、魚が着きやすい一級ポイントが数多く存在します。
ただし、場所によっては安全柵がなかったり、海面までの高さがあったりするため、特にお子さんの足元には常に注意を払う必要があります。
釣り公園

僕が最もおすすめしたいのが「海づり公園」などの管理施設です!
多くの施設で転落防止の安全柵が設置されており、子供連れでも安心して釣りに集中できます。さらに、トイレや売店、手洗い場、ゴミ箱などが完備されているのも大きな魅力です。
釣り堀

「せっかく行ったのに一匹も釣れなかったらどうしよう」という不安を確実に解消してくれる!それが釣り堀です。
区切られたエリア内に魚が確実に放流されているため、魚影の濃さは抜群です。海の魚を狙える海上釣り堀から、山間部にあるニジマスやヤマメの管理釣り場、街中のコイ釣り堀までさまざまなタイプがあります。釣具一式をレンタルできる場所がほとんどなので、手ぶらで気軽に立ち寄れて、お子さんに「釣れた!」という最高の成功体験をさせてあげることができます。
河川敷

チヌやハゼ、ブラックバスなど、淡水や汽水域(淡水と海水が混ざる場所)の身近な自然を楽しめるポイントです。敷地が広く、近くに公園や駐車場が併設されているケースが多いため、アクセスしやすいのがメリットです。
海に比べて波はありませんが、川特有の流れがあることや、雨の後の増水、泥で滑りやすい足場などには注意が必要です。身近な川のせせらぎを聞きながら、ゆったりとした時間を家族で共有できます。
家族で楽しむ釣り方

ここからは、親子で実際に試してほしい具体的な釣り方の手順とコツ、そしてそれぞれの方法で狙える代表的な魚を解説します。
お子さんの年齢や好みに合わせて、まずは手軽なものからチャレンジしてみてください。それぞれの釣り方の動作をイメージしながら読んでみてくださいね。
サビキ釣り
初心者・小さいお子様向け
足元に魚を集めて釣る、ファミリーフィッシングで最も簡単かつたくさん釣れる方法です。
【主な対象魚】:アジ、イワシ、サバ
【釣り方】
①コマセカゴにアミエビ(エサ)を詰めます。
②仕掛けを足元へ真っ直ぐ落とし、底まで沈めます(少し浮かせてもOK)。
③竿を1、2回、上下に優しく振って海中にエサを撒き、そのままじっと待ちます。
【コツ】
魚が掛かると竿先がブルブルと竿が震えます。1匹掛かってもすぐに上げず、少し待つと2匹、3匹と「追い食い」して鈴なりに釣れることがあります。
ちょい投げ釣り
仕掛けを少し前方へ投げて、海底にいる魚を広く探る釣り方です。
【主な対象魚】:シロギス、ハゼ、メゴチ
【釣り方】
①周囲の安全を確認し、仕掛けを20メートルほど軽く前方へ投げます。
②オモリが海底に着くまで待ち、糸のたるみを取ります。
③竿をゆっくり横に動かしてオモリで海底をズルズルと引き、動かした分だけリールを巻いて糸を張ります。
【コツ】
この「動かして、止めて待つ」の繰り返しがコツです。海底の砂煙に魚が興味を示し、仕掛けを止めたときにエサを食いついてきます。
マイクロテンヤ
軽いオモリと針が一体になった「ジグヘッド」に、オキアミやゴカイなど生エサを付けて狙うルアーとエサ釣りのハイブリッドな釣り方です。
【主な対象魚】:ハゼ、カサゴ、ソイ、チヌやレンコ鯛
【釣り方】
①仕掛けを足元や少し先に落とし、しっかりと底を取ります。
②竿先をチョンチョンと軽く跳ね上げてエサをアピールし、またゆっくりと底まで落とします。
【コツ】
ルアーのような手軽さがありながら、本物のエサを使うため魚の食いつきが抜群です。堤防の壁際や、カキ殻などの障害物まわりを丁寧に探るのがコツです。
ワームリグ
ソフトルアー(ワーム)を針にセットし、生きているエサのように動かして魚を誘う方法です。虫エサを触るのが苦手なお子さんや親御さんにも最適です。
【主な対象魚】:ハゼ、、チヌ、ブラックバス
【釣り方】
①いたい場所へキャストし、基本的には海底までワームを沈めます。
②リールを一定のスピードでゆっくり巻くか、竿先を小さく動かして底をピョンピョンと跳ねさせるように動かします。
【コツ】
ワームの色や形を変えることで、その日の魚の反応を探るゲーム性の高さが魅力です。
小型ルアーのプラッキングゲーム
プラスチック製の小さな魚型のルアー(プラグ)を使い、水面や浅い層を泳がせて狙うエキサイティングな釣り方です。
【主な対象魚】:ブラックバスやチヌ
【釣り方】
①魚の気配がある場所へルアーを投げます。
②ルアーがしっかり泳ぐのを目で見ながら、リールを巻いて手元まで引いてきます。
【コツ】
水面をピチャピチャと動かすタイプ(トップウォーター)なら、魚がルアーに飛びつく瞬間が丸見えなので、お子さんも大興奮間違いなしです。
タックル
親子で快適に釣りを楽しむためには、使う道具(タックル)選びも大切なポイントです。特に小学生以下のお子さんが使う場合は、大人が使うような長くて重い竿では扱いきれず、疲れてしまったり釣りが嫌になってしまったりする原因にもなりかねません。
ここでは、家族全員がストレスなく扱える道具選びの目安をお伝えします。
ロッドやリール
お子さんと親御さん、それぞれに適したサイズを選ぶのが快適に楽しむコツです。
お子様用のタックル
- ロッド:長さは1.5〜1.8メートル(5〜6フィート)ほどのショートロッドがベストです。これくらいの長さなら、小さなお子さんの体格でも無理なく扱えて、周囲に針を引っ掛けるリスクも減らせます。
- リール:1000番〜2000番クラスの小型スピニングリールが軽くておすすめです。あらかじめナイロンラインの2号が100メートルほど巻かれているものを選ぶと、ライントラブルも少なくなります。
親御さん用のロッド・リール
- ロッド:2.1〜2.4メートル前後の万能ライトゲームロッドやエギングロッド、またはコンパクトロッドが重宝します。お子さんのサポートをしつつ、自分もさまざまな釣り方をカバーできる汎用性があります。
- リール:2000番〜2500番クラスのスピニングリールが最も扱いやすく、1台持っておくと便利です。
気軽に遊べるセットもおすすめ
「どの道具を組み合わせればいいか分からない」という場合は、釣具店などで販売されている「ファミリーフィッシングセット」や「直行セット」を選ぶのも賢い選択です。選ぶ手間が省けてすぐに釣り場へ向かえます。
ただ、あまりに安すぎるおもちゃのようなセットは、リールの糸がすぐに絡むなどトラブルの原因になりがちです。僕はいつも、信頼できる釣具メーカーがしっかり監修している入門用のコンパクトロッドセットをおすすめしています。
安全対策とマナー

楽しい思い出にするために、最も妥協してはいけないのが「安全対策」と「夏の暑さへの備え」です。特に小学生以下のお子さんは、釣りに夢中になると周りが見えなくなったり、体調の変化をうまく言葉にできなかったりすることがあります。
親御さんがしっかりと先回りして、安全で快適な環境を作ってあげましょう。
ライフジャケットは必須
水辺で遊ぶ以上、ライフジャケット(救命胴衣)の着用は絶対条件です。これは「泳げるから大丈夫」というレベルの話ではありません。
必ずお子さんの体に合ったサイズのジュニア用を選んでください。大きすぎるものだと、万が一落水したときに体がすり抜けて脱げてしまう危険があります。また、股の下を通すベルト(股紐)がしっかりついているものを選び、正しく装着させることが重要です。
足場の良い場所を選ぶ
先ほどおすすめのポイントでも触れましたが、足場選びは安全性に直結します。
傾斜がある場所や、水ゴケが生えていて滑りやすい場所、波をかぶりやすい低い堤防などは避けてください。コンクリートが平らで、できれば安全柵(フェンス)が設置されている場所を選ぶのがベストです。移動する際も、お子さんと手を繋いでゆっくり歩くよう心がけましょう。
危険な場所には近づかない
釣り場には、一見釣れそうに見えても絶対に近づいてはいけない危険地帯があります。
波消しブロック(テトラポッド)の上は、隙間に転落すると大怪我をしますし、発見が遅れるため非常に危険です。お子様連れでのテトラへの立ち入りは絶対にやめてください。
また、柵のない護岸で大型船の係留ロープがある場所や、足元がえぐれて空洞になっているような場所も近づかないようにしましょう。
禁止区域などルールは守る
誰もが気持ちよく釣りを楽しむために、現地のルールやマナーを守る背中をお子さんに見せてあげてください。
防波堤の中には「立ち入り禁止区域」や「釣り禁止エリア」が設定されている場所があります。これらは事故防止や作業の安全のために決められているので、絶対にルールを破ってはいけません。
また、ゴミは必ずすべて持ち帰ること、他の釣り人と十分な距離を保つことも大切なマナーです。
熱中症や紫外線・虫除け対策
夏の釣りは、想像以上に体力を消耗します。命の危険さえありますから油断せず事前の対策も必要になります。
- 水分・塩分補給:喉が渇く前に、こまめにお子さんへ水分を摂らせてください。クーラーボックスに冷たい飲み物やスポーツドリンクを多めに用意しておきます。
- 日よけ:帽子(ネックガード付きがおすすめ)と偏光グラスやサングラスは必須です。日焼け止めもこまめに塗り直しましょう。
- 虫除け:水辺は蚊やヌカカなどの吸血昆虫が多いので、子供用の虫除けスプレーや、携帯用の虫除け器具を準備しておくと安心です。

まとめ
夏のファミリーフィッシングは、豊かな自然の中でお子さんの五感を刺激し、家族の絆を深めることができる最高のレジャーです。
今回ご紹介したように、夏はアジやイワシ、シロギス、ハゼなど、小学生以下のお子さんでも手軽に狙える魚がたくさんいます。まずは足場の良い釣り公園や釣り堀など、安全で設備が整ったポイントを選び、扱いやすいショートロッドのセットから始めてみるのが大成功への近道です。
そして何より、ライフジャケットの着用や熱中症・紫外線対策といった安全への配慮だけは、大人がしっかりと先回りして管理してあげてください。安全と快適ささえ確保できれば、魚が釣れたときの子供たちの弾けるような笑顔と感動は、家族にとって一生モノの宝物になります。
しっかり準備を整えて、ぜひこの夏は親子で最高の釣り思い出を作ってきてくださいね。僕も皆さんの爆釣と安全な釣行を応援しています!


