ショアジギングでシーバスロッドの代用はありorなし?経験から導き出したベストアンサー

ショアジギングでロッドをシーバスロッドで代用する人が増えていますし、僕たちに寄せられる「代用できますか?」というご質問も増えてきたのでこちらに回答させていただきます。

シーバスロッドでもショアジギングで釣れるという人と、反対する人の意見をどちらも尊重しながら我々が導き出した応えをひとつひとつ解説します。

賛成派と反対派のそれぞれの意見

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ショアジギングのロッドをシーバスのもので代用できるのか?というそもそもの課題。

まずこれらの双方の意見を整理してみます。

※どちらもショア(陸っぱり)からのメタルジグ(プラグやワームは含まず)を使用したショアジギングが前提です。

賛成派

●ショアジギでヒラメやシーバスは普通に釣れる
●中型青物(ハマチ、ワラサ)まで問題なく釣れる

反対派

●中型青物以上は取り込みに時間が掛かり周りにも迷惑
●そもそもロッドが細くてパワーがない

どちらもまっとうな理由でうなづけます。

が・・・ここまで見ていただいただけで、双方の論点が違うことがお判りでしょうか?

方や「釣れる」と釣れるか釣れないかで言っているのに対して、逆は「確実に釣るためのスペック」で話しています。土俵が違うとこで話しています。

これでは意見が食い違いが起きるのは当然です。

シーバスロッドでショアジギングしても釣れる!

上の賛成派の意見をお聞きして、思うのは”釣れるか釣れないか”でいうと僕も釣れると思ってます!!

だって実際シーバスロッドでショアジギングしても釣れるものは釣れる(経験済み)

ただし、推奨しない反対派の方はそこを問題にしてはいません。シーバスロッドを使い青物まで釣れると言えるランディングまでのやり取りの扱いやすさのことまでを言っています。

もっと別次元で幅広くショアジギングを捉えています。

ショアジギングロッドとシーバスロッドの違い

段階的に掘り下げて解説していきます。

そもそものショアジギングとシーバスのロッドのスペックや対象となるターゲットをご覧ください。

基本となる長さとタイプによっておおよその平均的な数値で表しています。

一般的なシーバスロッド

※一般的な9ft前後でMLタイプのシーバスロッド

自重(g)150gルアー許容重量(g)7~35
適合ライン(号)0.6~1.2タイプML

対象魚:シーバス
対象魚のサイズ:平均50~60cm 約1.5kg~2kg
実際に釣れる魚:シーバス、ヒラメ、小型青物(サバ、ヤズ)、カサゴ、カマス

ご覧いただいてわかるように、そもそもショアジギングで大型の魚をターゲットとしない方ならば、

MAX30gまでのメタルジグを使用したSLJ(スーパーライトジギング)として何ら問題なく釣ることができます。

ただし不意の中型以上の青物に遭遇してしまったら・・・

大型青物まで見越したショアジギング用ロッド

自重(g)260gルアー許容重量(g)10~50
適合ライン(号)1.5~3タイプMH

対象魚:中型青物~青物全般(ブリ、ヒラマサ、カンパチ、サワラ、シイラ)
対象魚のサイズ:平均60~100cm 約3kg~10kg
実際に釣れる魚:中型青物~青物全般、ハードロックフィッシュ

そもそも使えるメタルジグの重さやラインの太さがまったく違います。

この比較に用いたショアジギングロッドの数値は”ライトジギング”で、これだけの差があります。

必然的に使用するリールも大きな4000番以上になってきます。

ショアジギングでも対象とする魚が違う、カテゴリもSLJ(スーパーライトショアジギング)かライトジギングかで異なっていれば答えも変わってきますが、大型の青物や、グングン根に入り逃げようとするロックフィッシュまでをターゲットにするとなるとこれくらいのパワーを持った性能は欲しいところです。

ショア青物でシーバスロッドはおすすめじゃない

結論から言ってしまうと、中型以上の青物まで狙い定めたライトジギングでいうとシーバス用ロッドをショアジギングで代用することはあまりおすすめじゃないということになるわけです。

それはなぜか?・・・

取り込みに時間が掛かる

ロッドのブランクスにパワーがないために、例えフッキングまでしたとしてもランディングまでにもの凄く時間がかかってしまいます。

ロッド自体が受け止めてくれる力が少ないので、ドラグを利用して寄せてくるしかなく巻いては持っていかれ、また巻いての繰り返しになってしまいます。

周りに迷惑が掛かる

ティップが柔らかいロッドだとなおさら、足元まで寄せるのに長ければ30分くらいかかってしまいます。

その場所がたった一人で釣りをしているのならいいですが、周りに釣り人だらけの人気のスポットだとしたら…

そのときご自分がその場所に偶然居合わせたとして、となりのアングラーがランディングに30分も手こずっていたとしたら?

あなたならどう思いますか?

当然ラインが絡まることも懸念されるので焦って回収。その釣り人がランディングするまで待っていなければなりません。

しかも、もうそのポイントは荒れ放題になっており。そのあとはしばらく場を休ませないと釣れないと思います。

これって、当事者は釣れた!と思って喜ばしいけど周りにとってはいい迷惑になると思います。

それは私達だって、当然同じ釣りの趣味をもった者同士ですから、となりの釣り人がそういった状況になれば、タモを持ってランディングを手伝ってあげたりします。

けど内心は…。場も荒れ、時間も過ぎ…。複雑な心境です。

ショアジギングでシーバスロッドまとめ

今回はショアジギングにおいてロッドはシーバスロッドで代用できるかどうかの課題について取り上げてみました。

その中で賛成派の方の意見と、反対派の意見のそもそもの論点が違っていることに気が付きました。

釣れるか釣れないかと言われれば釣れます。

ただし向いているのか向いてないかでいうと向いていません。

今回の章をここにまとめます。

●35gくらいまでのジグを使用したSLJ(フラットフィッシュやサバなど小型青物)のみならシーバスロッドで代用OK
●本気で中型青物以上まで狙いたいならショアジギングロッド

ショアジギングで青物狙いならシーバスロッドは×
他のキャスティングの釣り種でもある長めのシーバスロッドなどをショアジギングロッドの代用としておすすめしている人もいますが、一概に代用ができると判断するのは早計です。

ショアジギングで何を釣ろうとしているのかで決まってくるからです。ターゲットの魚種がヒラメやヒラスズキ~、サゴシクラス(40cmほどの小型のサワラ)なら代用は可能ですが、

ただしショアジギングする大半の人が狙っているのは青物です!

やってみるとわかりますが、ハタ科のハードロックフィッシュや60cmほどの中型のハマチ(ワラサ)でも、グングン潜っていくのでブランクスが細くてパワーがないロッドでは根から剥がし切れずファイトの主導権を持っていかれて、取り込みにめちゃくちゃ時間が掛かるので、おすすめしません。

ランディングに手こずっていると途中でバラシてしまうこともあります。

それでも構わないのでしたら代用も可能ですが、せっかくショアジギングのために新たに1本ロッドを新調するのならターゲットに合うロッドを選んだ方がいいと思いませんか?

自分はメーカーの回し者でもないですし決して押し売りしているのではありませんから、青物ターゲットでショアジギングロッドを選ぶのなら他の釣り種との代用は辞めておいた方がいいという経験値からのアドバイスです。

あとは自己責任でどうぞ^^

フラットフィッシュと併用なら△

とはいえ、ライトショアジギングでキャスティングゲームと併用している場合などは、表で説明したとおりにターゲットが小型青物とかヒラメやマゴチだけの場合もあります。

そういった場合にはシーバスロッドとの併用でもいいでしょう。ただしサーフ用のほうがいいのでシーバスロッド全般がライトショアジギングに適しているとは言い難いことも確かです。ですから△としておきます。

サーフ用のロッドについては別のページで解説、おすすめをご紹介しています。興味のある方はそちらも併せてご覧ください↓