シーバスワームの特徴と動かし方&使い分け方!上手に使い釣果アップさせる方法

シーバスワームの特徴を理解して釣果アップに繋げるための動かし方と、プラグルアーとの使い分けについて解説します。

シーバスを攻略するのに「最終兵器」とまで言われることもある可能性を秘めたワームを使ったシーバスゲーム。

そのワームの艶めかしいまるで餌のような絶妙な動き(波動)は決してプラグでは出せない特性をもっています。

シーバスが口にしたときに違和感を減らし、ワームの食感が食わせてからのバラシの低減にも一役買っていることでしょう。

とにかく「スレに強い」、「釣れる」というのは何となく理解はできているものの、プラグルアーの全盛の現代においてその本当の持ち味とは?

経験豊富なシーバスアングラーも、シーバスでワーム初心者の方にもナットクできるような知られざるワームの特徴について学び、有効活用できるようにこの章ではワームについて、特性を生かした使い方と動かし方を深く掘り下げていきます。

シーバスワームの特徴

ワームの特徴|シーバス,ワーム,使い方,動かし方

知っているとワームを選ぶ際にも役立つ、雑学知識!?をちょっとだけ学んでみましょう。

ワームの素材

ワームとは、いつものミノーやバイブレーションなどのプラグと呼ばれるハードルアーと違い柔らかな素材(主に塩化ビニール)でつくられたルアーです。

ほかには生分解性プラスチックと呼ばれる素材でできており特殊な液体に浸かっているものを、そこから出して使用するタイプもあり、誤って根がかりなどをして水中にロストしてしまった場合でも自然界の成分で

自然に分解されてなくなるものなど環境に配慮したエコな現代風にアレンジされたものなど種類がたくさんあります。

ワームの添加物!?

中に浮力を制御する役割も担う「塩」を素材に含ませシーバスが口に含んだ時に血液と勘違いし、

違和感を与えず吐き出すのを極力抑える工夫がされています。

同じような役割を果たしシーバスが口に含んだ時に違和感を与えず咥えている時間を長くさせるアミノ酸を配合しているものもあります。

最近ではより自然なベイトの味覚に近づけるために小魚やエビ、イカなどの粉末が練りこんであるものも存在します。

こういったより自然のエサに近い形にしやすいのも素材を生かしたワームの大きな特徴です。

アピールを増してくれる素材

元々ワームは、プラグ系のシーバス用ルアーよりもアピールが少ないのが特徴ですが、それらを補うために素材の中に「ラメ」や「銀粉」フレークが混ざっているものが現在主流になりつつあります。
これら混ぜ込んであるフレークにもさまざまなカラーがあり、カラーのよって効果が異なります。

ブラック系のラメは周りの光を吸収する効果が見込まれシーバスから見た時の不適合感を軽減し、またシルバーなどラメは光を反射させてくれるので逆にアピールが増します。

練りこんである、ラメフレークのカラーや種類、またシーバスが噛みついたときに離れにくいエキスの含有(なくても釣れるものもたくさんある)も考えながら自分なりの釣れるワームを選んでみると面白いです。

ワームのメリットとデメリット

次はワームの良い点と悪い点を理解して、シーバスに有効な状況を判断するのに役立てられるようおさらい。

ワームのメリット

音が出ないので警戒されない。
 ※グラスラトルとか差し込んでわざと音を出して気づかせる釣法もあり。
スレたシーバスにも有効。
同じ場所で使ってもスレにくいので立て続けにヒットする。
テールの自然に水を噛んで揺らぐ動きはワームならでは。
食ったときに違和感が少ないため、一度バラシても追い食いしてくる。
プラグルアーより安い。

アピールが少ないのでスレにくい

柔らかい素材が生む、ベイトライクでナチュラルな波動が警戒心の強いシーバスに警戒心を与えず、スレさせにくくします。
いったんスレているシーバスや、スレまくっている状況下でも効くためプラグルアーよりも釣りやすくなります。

また、元々スレに強いので1匹ヒットしたあとに連続してヒットする可能性が高いです。

バラシにくい

素材が柔らかいので深くまで吸い込み食いやすいので、フッキングも深く刺さりバラシが少くないです。

追い食いしてくる可能性も高い

これも柔らかな素材が起因しています。一度食ってきて捕食しきれなくても口にした時の違和感が少ないので追い食いしてくる可能性が非常に高くなります。

財布にやさしい

ワームにジグヘッドを入れてもプラグルアーに比べると値段が安く収まるので、ロストしてもそれほど気になりません。

ワームのデメリット

寄せて誘う力がないためオープンエリアでの回遊待ちには不向き。
やわらかい素材のためちぎれ易い。
刺し方ひとつで動きが悪くなる。
多少のテクニックが必要。

集魚力が弱い

ハードルアーのように波動が大きくないので広く遠くのシーバスにまで届くようなアピールは期待できません。遠くからおびき寄せる効果は弱いですが、最近流行しているワームがセットになったバイブレーションジグヘッドなどは効果が望めるでしょう。

破損しやすい(ちぎれやすい)

素材が柔らかいために持つメリットのほうが大きいのですが、もちろんそれゆえのデメリットもあります。何度も使っているうちに勝手にちぎれてきてしまいます。

刺し方が変だとちゃんと動かない

ジグヘッドへの刺し方が不十分であると本来の動きをしてくれません。的確なフックの位置としっかりと、真っ直ぐに刺しセットすることが肝心です。

ワームを使う上で一番の難題となりえる刺し方は、ワームでシーバスを釣るうえでの大事な条件にもなってきますから、このデメリットを優れたメリットに変えるのは刺し方次第です!なんどもやって練習しましょう。

シーバスワームの動かし方

シーバスのワーミングは簡単そうに見えるけど、やってみると結構難しいという人もいると思います。実は僕がそのひとりでしてww、しばらく嫌いでやめてた頃もありました。

シーバスは年々、激スレがすすんでいる昨今では、アピールを抑えたワームの存在が見直されています。そんな中、当然のごとくプラグルアーとは違うワームの動かし方やアクションの付け方が、だいじになってきているのではないでしょうか。

自分の経験も踏まえて今だから言えるシーバスのワームの動かし方とワームを使ったシーバスの釣り方を順を追ってご説明します。

釣り方はプラグルアーの動かし方よりも確実に丁寧な釣り方が近年のスレたシーバスに有効で、動かし方もより繊細なものが求められるようになっていると感じます。

これらも踏まえ、ここから基本的なシーバスに有効なワームの動かし方で代表的な釣り方を解説します。

ただ巻き

「ただ巻き」、簡単そうに聞こえるけどやってみるとなかなかうまくいかないのがこのただ巻き。

ただ巻き=一定のスピードで一定のレンジをキープしながら巻いてくることが最低条件です。けど…これがまた一番むずかしいww

ただ巻いているつもりでも、途中で巻くスピードが速くなっていたり(遅くなっていることもあり)1回転の間であっても手前に押し出すときと戻すときのスピードが違っていたりすることはできていると思っている人ほどよく観察してみるとできていないことが多いです。

ワームの最大のメリットである、「微波動のナチュラルアピール」を生かすためにも、無駄なアクションを避けることはスレやすいシーバスのスレを軽減させる効果を生かせるために大事です。

しっかりロッドを握り、バッド部分を脇に挟んでバッドエンドを胸に押し当てるように固定させると一定のスピードで巻きやすいです。

ワームのただ巻きはいかに“レンジキープしながら等速巻き”を安定させるかがキモになります。

ワインド

ロッドを勢いよくしゃくって、あおった後ティップを最初の位置に戻しながら糸フケをリールで巻き取るといった動作を素早く何度も繰り返して釣る動かし方。

大きく素早く動かすことで、ワームに激しい動きを加え独特の激しい波動を生み活性の低いシーバスのスイッチを無理やり入れて口を使わせる動かし方です。

ただ巻きで一定量を釣り終えた後や、そのポイントにいるとわかっているのだが食ってこないときにやってみるとリアクションバイトを誘発できることがあります。

ハイシーズンの、背びれを水面から出して泳いでいるスレッカラシシーバスにもこのワインドをせつけると襲い掛かってくることもあります。

ボトムトレース

一旦ジグヘッドごとワームをボトムまで沈めて一回だけトゥィッチを入れて少し浮き上がらせて、ボトムスレスレを舐めるようにトレースしていくワームの動かし方というか釣り方です。

ボトムをノックする釣り方も後ほど説明します。それとは別に底を這わせるよりも、底ギリギリをうまく地形に合わせてトレースするほうが居着きのシーバスが釣れやすくなる。

ボトムワインド・ボトムバンピング

あくまでも底を切らさずに、底のゴツゴツ感をを感じながらロッドをしゃくって、底で左右にワームを動かす釣り方です。

チヌやブラックバスでクローワームを使って底を取りながら上下に跳ね上げさせるボトムバンピングにも似ている!?かもです。

シャクったあと糸フケをとる方法と、もしくはシャクリながら巻きとる方法とがありどちらも有効。どちらも、ほかのボトム狙いの釣りよりも繊細に食わせの間を開けたりせず、一定のリズムで巻いてくることで、警戒心を解きほぐせると思います。

ワームに適した状況

シーバスワーム|使い方,動かし方

シーバス釣りにおいてはプラグ(ミノー、シンペン、バイブレーションなど)が主流ではありますが、ワームも特定の状況では非常に有効です。以下に、ワームが活躍する代表的なシチュエーションを紹介します。

プレッシャーが高いエリアでの攻略

都市部の河川や港湾エリアなど、多くのアングラーが集まる場所では、シーバスもルアーを見慣れてスレています。こういった場面では、波動が控えめで違和感を与えにくいワームが有効です。

ワームの持つ柔らかな動きは、スレた個体にもプレッシャーを与えず、ナチュラルにアプローチできます。ジグヘッドや軽量リグでスローに引いて、じっくり見せて喰わせるスタイルが特に効果的です。

ナイトゲームでのスローな表層攻略

夜のシーバス釣りでは、活性の高い個体が表層に浮いてくることが多くなります。このとき、細身のストレートワームをジグヘッドで表層スローリトリーブすると、バチやマイクロベイトを捕食している個体に強烈にアピールできます。

特に春の「バチ抜け」シーズンでは、波動の少ないワームのナチュラルな泳ぎが大活躍。プラグでは見切られるような状況でも、ワームならゆっくりと自然な動きで誘えるため、喰わせの一手として非常に有効です。

ボトムを意識したシーズンや状況で

水温が低下する冬場や、流れが強くてシーバスが浮きにくい状況では、ボトムを丁寧に探る釣りが求められます。ワームをジグヘッドやテキサスリグで使用し、ズル引きやリフト&フォールで底を攻めると、ボトムに潜むシーバスを狙うことができます。

このとき、ボトムの変化や障害物周りをしっかりトレースすることがキモ。根掛かりに注意しつつ、ワームならではの柔らかいアクションで違和感なく喰わせられます。

狭いスポットやストラクチャー周りでのピンポイント攻略

岸壁のスリット、橋脚の影、テトラ帯の隙間など、狙いたいスポットが非常に狭い場合には、ワームの静かな着水とコンパクトなアクションが有利に働きます。

プラグでは入りきらない場所や、アプローチにプレッシャーがかかる場所でも、ワームならナチュラルに入り込めます。ピンポイントを狙ってじっくり誘うことができるので、「ここに絶対魚がいる」という状況で特に効果を発揮します。

フォールの釣りで喰わせるとき

プラグに比べてワームは、よりゆっくりと自然に沈んでいきます。この「フォール中の誘い」が、縦方向の動きに反応するシーバスに非常に効きます。

潮のヨレやブレイクライン、堤防の壁際など、縦に魚が付きやすい場所で、ゆっくりと落ちていくワームは絶好の喰わせのタイミングを作り出します。特に、タフな状況で魚が活発に動けないときには、このゆったりとしたフォールが大きな武器になります。

ワームは地味に見えるかもしれませんが、状況次第ではプラグ以上の威力を発揮します。スレたフィールドや、喰い渋り、ボトムの釣り、ピンスポット攻略など、シビアな条件のときこそ試してみる価値があります。

プラグとのローテーションに加えることで、釣果を大きく伸ばせる可能性も広がります。

ワームに適したフィールド&シチュエーション

ワームの釣りがもっとも適したシチュエーションやフィールドについて見るとともに、ワームでシーバスを食わせるための使い方についてついて解説してみました

明暗の境目

夜の明暗部、ワームに適したフィールド&シチュエーション|シーバス,ワーム,使い方,動かし方

夜釣りで一級ポイントの明暗部ではスレさせたくないのでアピールの弱いワームのただ巻きからはじめるのもありです。

全然釣れない状況でリーサルウエポンとして使う場合もあるが、こういった場所はすでに最初からスレている時も多いので一投目から使う方法もあります。

橋脚周り

橋脚周り,ワームに適したフィールド&シチュエーション|シーバス,ワーム,使い方,動かし方

居着き型シーバスの多くが集まる橋脚周りからシーバスを剥がすには、自然な動きに近いワームの動きはかなり有効的です。橋脚スレスレを上手にトレースしながら引いてきます。

護岸

護岸,ワームに適したフィールド&シチュエーション|シーバス,ワーム,使い方,動かし方

いそうなレンジを丁寧に巻いて移動するテクトロにもうってつけ。

この場合、レンジキープしながら一定の速度で巻いてくることがキーポイントです☝

人気スポット

人気エリア,ワームに適したフィールド&シチュエーション|シーバス,ワーム,使い方,動かし方

こんな場所は、すでに大概スレきっている場面が多くアピール系のカラーやプラグルアーで叩かれまくっている場合がほとんどなので最初の一投目からの慎重なルアーセレクトが肝心になってきます。

そこで、アピールの控えめではあるけども、そこにシーバスがいるとわかっている状態ではワームで食わせるのも釣果を出しやすい引き出しとなります。

ワームは広範囲を探るサーチ的なルアーではなく「ここにいるとわかっている時に力を発揮する」食わせルアーということも覚えておいてほしい特徴です。

ボイルが起こっている場所

一発で食わせたいときのここぞという場面では、派手な動きをするシャッドテールのワームや水受けの良いジグヘッドを用いてやると、水中の動きがイメージしやすいワームのほうが状況に適合させやすいです。

ワームを有効活用してシーバスの釣果をアップさせていきましょう

シーバス釣りではプラグルアーが王道ですが、状況によってはワームがその実力を存分に発揮します。今回ご紹介したように、ワームはプレッシャーの高い場所や夜の表層、ボトム付近、ピンスポット、フォールなど、特定の場面で非常に強く、使いどころを見極めれば釣果に大きく差がつきます。

さらに、ただ投げて巻くだけでなく、レンジやスピード、フォールの使い分けといった「動かし方」を理解して実践することで、その効果はさらに倍増します。プラグとワーム、それぞれの特性をしっかりと把握し、状況に応じて使い分けられるようになれば、シーバスゲームの幅はぐっと広がります。ルアーの選択肢にワームを加えることで、これまで届かなかった一尾に出会えるかもしれません。