フラットフィッシュにはどの時期がいいのか?の疑問にお応えします。
ヒラメを中心とした四季ごとの生態から鑑みた特徴の違いと
そぞれぞれの季節ごとの釣り方について解説します。
また僕が初心者の頃に最初にいちばん迷っていた「初心者にベストな時期」についても理由も踏まえお伝えします。
フラットフィッシュ(ヒラメ・マゴチ)の魅力
フラットフィッシュであるヒラメやマゴチは、その独特の形状と引きの強さから、多くの釣り人に愛されるターゲットです。彼らは美味しい食材としても評価が高く、釣った後の楽しみもひとしおです。
さらに、ヒラメやマゴチは四季を通じて釣ることができ、季節ごとに異なる環境や釣り方が求められるため、釣りの奥深さを味わうことができます。春の浅場での手軽な釣りから、秋冬の大型を狙うスリル満点の釣りまで、さまざまな楽しみ方があり、初心者でも簡単に挑戦できるシーズンがある一方で、熟練の釣り人には大型狙いのテクニックが試される場面もあります。
そんな魅力あふれるヒラメやマゴチの釣りについて、季節ごとの特徴やポイントを押さえ、これから釣りを始める人にも分かりやすく解説していきます。
四季ごとの違いと狙い方
【春】回復期と浅場攻略
春は、冬の産卵期を終えたヒラメとマゴチが体力を回復するために活発に餌を求め始める時期です。この時期の特徴として、両魚種とも浅場に移動し、砂地や泥地、岩礁の隙間などを中心に行動範囲を広げる傾向があります。水温が上昇し始めるとともに小魚や甲殻類も増えるため、餌となるターゲットが豊富で、魚たちの活性も徐々に高まります。
なかでも4~6月がハイシーズンです。
●春の個体の特徴
春のヒラメとマゴチは、体力回復のために餌を追うものの、まだ水温が十分に高くないため動きは緩やかです。そのため、捕食時のスピードや反応が夏ほどではない点を考慮したアプローチが重要になります。また、浅場に集まる小型個体が多く、初心者でも釣果を上げやすいのがこの季節の特徴です。
●春の釣り方のコツは…
スローな誘いを意識する
ライトタックルの活用
春のヒラメとマゴチは浅場での活動が活発です。特に干潮と満潮の潮位変化に注目し、潮が動くタイミングを狙うと良い結果が期待できます。海岸やサーフ、漁港周辺の浅場が狙い目となります。
また水温が安定しない春は、魚の動きが鈍いことが多いため、ルアーや餌の動きをスローにするのが効果的です。ヒラメにはフラットな動きをするミノーやワーム、マゴチにはボトムをトレースするリフト&フォールの動きが有効です。
春は浅場で小型の個体を釣る機会が多いことから、ライトタックルを使用するとゲーム性が増します。軽めのルアーや小型の餌を使うことで、魚の反応を得やすくなります。
春の狙う時間帯については春は日中の水温が安定しやすいため、午前中や夕方が好釣果を上げやすい時間帯です。特に朝マズメと夕マズメは、魚が積極的に餌を探すタイミングでもあるため、集中して釣ることをおすすめします。
春の浅場は、比較的簡単に魚の反応を得られる季節です。まずは浅場でのルアー釣りやシンプルな仕掛けの餌釣りから挑戦すると良いでしょう。また、防寒対策を忘れずに行い、快適な釣行を心掛けることも大切です。春は回復期の魚と手軽に触れ合える絶好の季節。初心者にもやさしいこの時期に、ぜひフラットフィッシュ釣りを楽しんでみてください。
【夏】活性が最も高くなる時期
夏は水温が上昇することで彼らの動きが活発になり、フラットフィッシュの活性が一年の中で最も高くなる季節です。積極的に餌を追いかけるようになります。
ただまだまだ春~夏の終わりに掛けて釣れるサイズは小さくソゲと呼ばれる1kg以下の小さなヒラメが多くアングラーの間ではリリースサイズとなります。
夏のフラットフィッシュは初心者でも釣果を上げやすい一方で、広い範囲を探れるテクニックが求められる場面もあります。また、日中の高温や水温変化に注意しながら釣りを楽しむ工夫が必要です。
●夏の個体の特徴
夏のヒラメとマゴチは、産卵を終えて体力を回復し、成長期に入るため、体力も旺盛で餌に対する反応が非常に良いのが特徴です。
特に朝や夕方の時間帯は、捕食行動が活発になる傾向があり、初心者にもチャンスが広がる時期といえます。ただし、真夏の炎天下では水温が上がりすぎるため、魚たちは深場や日陰に移動することが多くなります。
●夏の釣り方のコツ
ボトム攻略が重要
夏の活性が高い時期は、ヒラメやマゴチが広いエリアを動き回るため、メタルジグやミノーといったルアーを使って広範囲を探るのが効果的です。特にサーフや漁港でのキャスティングゲームでは、遠投性能が高いタックルが役立ちます。
ヒラメとマゴチはボトムに近い場所で活動することが多いため、底をしっかり探れるリフト&フォールやボトムパンピングといったアクションが有効です。上級者の場合には夏のボトム攻略は根掛かりを避けるために適切なシンカーやフック選びも気を付けたいところです。
また、活性が高い夏は、生き餌を使った泳がせ釣りでも釣果を伸ばせやすい時期です。小魚やエビ、ゴカイを模した餌を選ぶことで、食いつきが良くなります。リアルな動きをするソフトルアーも効果的です。
夏は釣りやすいシーズンですが、日中の強い日差しに対する熱中症対策が重要です。帽子やサングラス、十分な水分補給を忘れずに行い、体調を崩さないように注意してください。また、魚の活性が高いため、初心者でも釣りの楽しさを実感しやすい季節です。まずは広範囲を探れるルアー釣りから挑戦し、夏のフラットフィッシュ釣りの魅力を存分に味わいましょう。
【秋】大型狙いの好機
秋はフラットフィッシュの釣りにおいて特別なシーズンで、冬に備えてエネルギーを蓄えるための「荒食い」が始まる時期です。
この時期は、活性の高い個体が積極的に餌を追い回すだけでなく、大型の個体が接岸することも多くなり、特にヒラメにおいては記録サイズを狙える絶好のチャンスとなります。一方で、大型の個体ほど餌やルアーに対して警戒心の強い個体もいるため、釣り方や戦略を工夫する必要があります。
●秋の個体の特徴
秋のヒラメとマゴチは、餌となる小魚や甲殻類の動きが活発になることも相まって、捕食活動が活発になります。水温が適度に安定しているため、一日のうちでも比較的長い時間にわたり魚が動き回ることが特徴です。
また、大型個体が沿岸部に接岸しやすくなるため、サーフや漁港などのポイントでビッグサイズのフラットフィッシュを狙うことができます。
●秋の釣り方のコツ
適切なポイント選び
遠投性能の高いタックルを活用
秋は、大型の餌を好む傾向が強いため、ミノーやバイブレーションなどのサイズが大きめのルアーが有効です。また、スローリトリーブやトゥイッチなどのアクションを加えることで、より自然な動きを演出し、警戒心の強い魚にも効果を発揮します。
サーフや漁港、河口付近のような潮通しの良いポイントが狙い目となります。大きな魚は、小魚が集まる潮目や変化のある地形を好むため、地形の変化を見極めたポイント選びが釣果を左右します。また、台風の後などの濁りが残るときは、大型個体が接岸しやすくなるため狙い目です。
秋のタックルはこの時期は大型個体を狙うために、広範囲を探り、遠投性能の高いタックルが必須です。キャスティングで広いエリアをカバーしながら、底付近や中層を丁寧に探ることで効果的に釣果を上げることができます。
秋も時間帯は朝夕のマズメがベストです。これらの時間帯は小魚が活発に動き回るため、大型のフラットフィッシュが餌を追うタイミングと一致します。
また、潮の動きも重要で、当然ながら干満の変化が大きい時間帯を狙うと釣果が上がりやすくなることは言うまでもありません。
秋は大型を狙う絶好のチャンスですが、サイズが大きい分だけファイト中の力も強く、釣り上げる際には慌てず慎重に対応することが求められます。初心者の方はまずは基本の釣り方を練習し、大型個体とのやり取りに備えましょう。
また、季節柄、朝晩の気温差が大きくなるため、防寒対策をしっかり行い快適な釣行を心掛けてください。秋は釣り人にとって最高のシーズン。ヒラメとマゴチの大型を狙い、スリリングな釣りを楽しんでみましょう!
【冬】寒さに負けない釣り方
上級者が大型を狙うなら冬の時期
冬は水温が低下することでヒラメとマゴチの活性が下がり、釣りの難易度が上がる季節です。
しかし、活性が低い魚を的確に狙える釣り方を実践すれば、寒い季節でも釣果を上げることは可能です。特にヒラメは比較的低水温に強く、深場や潮通しの良いポイントにいることが多いため、ポイント選びとアプローチが重要になります。
反対にマゴチはヒラメに比べて寒さに弱く、深場や温排水が出るエリアに集中する傾向があります。
●冬の個体の特徴
冬は活動範囲が狭まり、効率よく餌を捕ることを優先します。そのため、餌への反応が鈍くなることが一般的ですが、
一方で効率的に栄養を補給しようとするため、大型の個体がルアーや餌に食いつくことも少なくありません。
●冬の釣り方のコツ
深場や特定のポイントを重点的に探る
小型ルアーやピンポイントな攻め方を活用
潮や天候を味方につける
水温が低い冬は、ヒラメとマゴチの動きが鈍いため、ルアーや餌の動きをゆっくりと見せることが効果的です。底を丁寧に探るスローリトリーブや、短いリフト&フォールの動きでターゲットを誘い出しましょう。特にヒラメには、底を這うような動きをするワームや、微妙に揺れるアクションを加えたローアピール系のルアーが有効です。
冬はヒラメやマゴチが餌を追いかける距離が短いため、小型でリアルなルアーを使用し、できるだけ魚の目の前に落とすような攻め方が求められます。また、生き餌を使用する場合は、動きが自然でゆっくりとした泳ぎのものを選びましょう。
冬は水温の安定している深場や潮通しの良い場所、さらには漁港や河口付近の温排水エリアが好ポイントになります。特に水温が1~2度高いだけでも魚の活性は大きく異なるため、海水温を測るなどの工夫も役立ちます。
冬は晴れの日や穏やかな天気の日を選ぶと、魚の活性が上がることがあります。また、潮の動きが少ないときは魚もじっとしている可能性が高いため大潮や中潮のタイミングでの釣行が有利です。
冬のフラットフィッシュでは、日中の暖かい時間帯がベストです。
特に正午前後は水温が最も上がるため、魚の動きが活発になるタイミングです。
初心者へのアドバイスとしては冬は寒さとの戦いでもあります。まず、防寒着や手袋、カイロなどで身体を暖かく保つことが釣りを長く楽しむために大切になってきます。また、冬は魚の反応が少ないため、忍耐強く、ポイントをじっくり攻めることも大事である程度厳しさを覚悟して忍耐力を持って挑みましょう。
冬は難易度が高い季節ですが、大型個体が釣れる可能性もあり、忍耐力と工夫が報われる時期です。釣り場選びやタックルの準備に時間をかけ、焦らず丁寧に釣りを楽しむことが成功の秘訣です。また、防寒具の着用や温かい飲み物の持参など、寒さ対策を万全に行うことで快適な釣行ができます。冬の厳しい条件に挑むことで得られる一匹は、他の季節では味わえない特別な感動をもたらしてくれるでしょう。
初心者におすすめの時期
フラットフィッシュ釣りを始めるなら、春と夏が初心者に最適な季節です。
これらの季節は、ヒラメやマゴチの活性が高く、浅場に接岸する個体も多いため、釣果を上げやすいのが特徴です。釣り場や仕掛けの選び方を工夫すれば、初心者でも手軽に楽しめる環境が整っています。
春は、4~6月。冬の産卵を終えたヒラメやマゴチが体力を回復するため、餌を求めて浅場に集まる時期です。魚の活性は夏ほど高くありませんが、小型の個体が多く、ルアーや餌に対する反応が良いため、初心者が釣りの感覚を掴むには理想的な季節といえます。水温がまだ低い場合もあるため、動きの遅い誘いや小型のルアーを使うのがコツです。また、浅場での釣りが中心になるため、アクセスしやすい漁港やサーフでの釣りも楽しめます。
一方、夏は7~9月。ヒラメやマゴチの活性が一年で最も高くなり、初心者が釣りを楽しむには最適な季節です。魚が積極的に餌を追うため、ルアーや餌釣りの反応が良く、短時間で釣果を得やすいのがメリットです。特に、広範囲を探れるルアー釣りでは、初心者でも思い切りキャスティングを楽しむことができます。ただし、日中は気温や水温が高くなるため、朝や夕方の涼しい時間帯を狙うことがポイントです。
まとめ
フラットフィッシュ釣りの魅力は、季節ごとに異なる特徴や釣り方を楽しめる点にあります。春の浅場攻略、夏の活性の高さ、秋の大型狙い、冬の繊細な釣りと、それぞれの季節が独自の楽しみを提供してくれます。四季を通じて変化するフィールドとターゲットの動きを学びながら、その時々の最適な釣り方を探ることで、釣りの奥深さを実感できるでしょう。
初心者にとっては、春や夏の釣りが最も始めやすい環境ですが、経験を積むにつれて秋や冬の難しさに挑むことで、釣りのスキルを磨くことができます。経験者にとっては、大型のヒラメやマゴチを狙うチャレンジングな季節や、厳しい条件での釣りを通じて得られる達成感がさらなる楽しみをもたらします。それぞれのスタイルに合わせて、自分だけの釣りの魅力を見つけてみてください。
フラットフィッシュ釣りは、初心者からベテランまで楽しめる懐の深いターゲットです。自然と向き合いながら季節の変化を感じ、釣り場での一瞬一瞬を大切にしながら、あなたの釣りのスタイルを築いていきましょう。